3.《ネタバレ》 ただただ京都の景色が見たくて鑑賞した映画です。いや、原作も読んでたからハードルも低かったからというのもありますが。やはり京都の風景はいいなあ。清水寺、吉田神社、金戒光明寺、南禅寺と水路閣。大学の風景も何だか懐かしい。さすがに京大なんていいとこは出ていませんし、あそこまで極端な寮生活とかはしていませんが、それでもなんだか大学の空気や大学生の部屋など、ノスタルジーを覚える景色を堪能できました。それだけでも価値のある映画でした。ってちゃんと内容についても書きますが(笑)
ストーリーのほうは正直原作と比べてだいぶ色が薄くなったという印象です。物語の大半が安倍×芦屋×早良の人間関係に費やされてしまって、肝心のホルモー部分がかなり端折られたと感じました。ただダサい男が高嶺の花に憧れるだけの話ならこの映画をわざわざ観ないってのに。いや、京都見たさにわざわざ観るやつも確かにいるんですけどね。にしてもウェイトの置き方を間違えてるなーとは思いました。オニが現れるまでもけっこう尺取られたし、もっと見たいものを見せてほしかったというのが正直なところ。
でもああいう世界観自体にはとても憧れます。青龍、朱雀などの四神の名に分かれて四大学対抗でそれぞれが操るオニによるリーグ戦を行うなんて、すごいアイデア。そしてギブアップの合言葉が「ホルモー」っていったい何なんだ。作者の万城目さんの発想力に驚かされる。映画や小説で知ってる場所が出てくるとそこの風景が思い出されて個人的にとても嬉しくなるのですが、万城目さんは今作で京都。『鹿男〜』で奈良。『しゅららぼん』で滋賀県など、関西エリアを中心にその場所に昔から伝わるものや有名なものをファンタジックに描くのがとても上手いなあと思います。どの話も楽しめるものです。時々発想が走りすぎてるきらいがありますが(笑)
ああ、旅したいな。