10.《ネタバレ》 ヒッチコックお得意の巻き込まれ型だが、この時代を考えるとなかなか面白い作品ではないでしょうか、もう少し評価されても。自由の女神のシーンは当時は撮影方法が良く分からない程画期的で、そちらばかり有名になったけれど、警察、軍、新聞やラジオのメディア、こちらが操作されれば、非常に怖いということ、人を信じられないことこの辺が心理的なサスペンスの妙を出している。 【min】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-09-22 22:29:29) |
9.《ネタバレ》 分類すれば戦時下のプロパガンダ映画。「敵のスパイに気をつけよう」。でも同時期の日本の同じような映画、『第五列の恐怖』なんかと比べると、メッセージを映画として膨らませている。舞台はアメリカのいろいろな層を巡り、アメリカの歴史を巡っているようにも見える。開拓時代の森の小屋みたいなところもあれば、カウボーイ時代の牧場、ソーダ工業の跡地から摩天楼の時代へと、情景として、アメリカの自信が見えてくる。上流人士にもスパイはたくさんいるんだぞ、と引き締めの警告を発し、なにしろ敵の計略が成功して軍艦が横倒しになってしまうとこまで描いて、しかしラスト「自由の女神」のシンボルにプロパガンダのメッセージを絞り込む(冷戦末期の『北北西…』のラシュモアより、政治的意味の込め具合はこっちのほうが濃いだろう)。各エピソードのつながりには、ちょっと無理を感じるところもあるが、見せ場は適度に配置されているので現在でもプロパガンダを越えて楽しめる。ヒロインが主人公の手錠をハンドルに引っ掛けるとこ、この二人の疑心暗鬼がドラマの展開に補助線を引いていて、疑いゆえの行為が二人の顔を引き寄せるなんてのが憎い。そのあとの手錠切断とヒロインの車呼び止めとの切迫。パーティ会場での緩い包囲の緊張、などなど、本筋と補助線とがもっと有機的に絡み合えればいいんだけど、それぞれで勝手に展開し、しかしそれぞれの見せ場は作っている。自由の女神のクライマックスでは音楽を入れず、高空の風の音を十分に聞かせている演出を、最近の監督は学んでほしい。ヒッチコックにおける悪の組織って独特の雰囲気があるな。つまんないチンピラのような手下ってのはあんまりいなくて、けっこうみんな有能・まじめそうな感じが漂っている。敵の描写に侮りを入れて弱めてしまうと、闘争のドラマそのものが弱まってしまうことを熟知しているからだろう。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-27 09:53:20) |
8.《ネタバレ》 始まりから手錠を外すまでが非常に良くできていて、例えば、光に反射した水面がユラユラと家屋に映っているトビンの屋敷は怪しさ全開ですし、手錠がらみのシーンは上手く、車のファンで鎖を切る時のカットバックによる緊張感や、痴話喧嘩のようなオチで収めるのもシャレています。・・・ですが、その一方でヒロインの描写がかなりいいかげんじゃないかとも思います。例えばビルに閉じ込められていた彼女の再登場の仕方があまりにも出し抜けで、物語に支障をきたさない程度で省略しているのでしょうがテンポを重視し過ぎているように思え、設定に活かされていない広告のモデルというのは、見境なしに出てくる広告の唐突さを皮肉っているのかとすら思ってしまいます。また、ラストの自由の女神での攻防はなかなか見せてくれますし、自由の女神をこんなに上手く使った作品を他に知りませんが、もう一つ何かが欲しいと思ってしまうのは欲張りでしょうか。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-19 18:25:46) |
7.《ネタバレ》 とにかく冒頭からやたらテンポがいいです。開始早々、あっという間に主人公は濡れ衣を着せられ警察に追われる身に。ここまでテンポがよいと、ちょっとイヤな予感がしてくるのですが、案の定で、大した伏線を張ることもなく、スイスイとお話が進んで行く。テンポが良すぎて、シーン前後の繋がりの悪い、説明不足の部分も散見されます。それにこの映画における主人公の立場が曖昧なのがどうにもイタい点、テロ組織は彼をどうしたいのやら、よくワカランし(ロクな確認も行わないヌルい組織だ)、主人公自身も脚本家も、警察に追われているという立場を後半忘れてしまったんじゃないか?という迷走ぶり(「警察と組織の両方から狙われる」というルールを提示した以上、最後まで通してもらわないと・・・)。ビルの窓からメッセージを落とすシーンも、さほど有効に機能しておらず、場当たり的との印象を強める。「サービス過剰は必ずしも大サービスならず」と言ったところでしょうか(我ながら名言だ・・・?)。さてしかし、やはり数々の見所はやっぱり忘れ難いものがあるわけで、例えば冒頭の火災シーン、なかなかにスタイリッシュ。あるいは中盤、ダンスしつつイチャイチャする二人に、しっかり追随していくカメラ。そしてお馴染み、ラストの自由の女神。実に迫力あるシーンに仕上がっています。フライが落ちて行くときの悲鳴、文字では何とも書き表せないような絶叫で、なかなか心がこもっておりました。ははは。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-27 22:41:13) (良:1票) |
6.下の「satoshiさん」と同様登場人物達に温かい拍手!!自然と顔がニヤけちゃいました。それに追い詰められながらも主役2人がキスするシーン、自分が今まで見たヒッチコック作品には見られない何かホンワカしたものを感じちゃいました。サスペンスとしても楽しく見られますがこういう人間模様を観察しながら見るのもまたヒッチコック作品の楽しみのひとつですね。 【ゆきむら】さん 7点(2005-01-29 13:27:10) |
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5.ヒッチコックおなじみの巻き込まれ型サスペンスですが、ややコメディタッチの仕上がりで、見どころも満載だし飽きずに楽しめると思います。 【きのすけ】さん 7点(2003-09-05 22:26:56) |
4.自由の女神像での主人公の振舞いは、格好良いな。上品で紳士的なサスペンス&ロードムービー?って、感じがした。 【aksweet】さん 7点(2003-09-04 10:33:43) |
3.「怖いわ」なんて言いつつも、しっかりとラブストーリーよろしくダンスを踊っている二人に7点。 【かんたーた】さん 7点(2003-08-29 10:08:48) |
2.主人公たちが大道芸人の列車に乗るシーンが好き。少佐や双子の女など、みんな普通じゃない怪しいキャラなのがイイ! 【李将龍】さん 7点(2003-05-25 22:54:26) |
1.お二人とも↓かなり手厳しいようですが,私は古き良き時代(と言っても大戦中だけど)のアメリカを感じながら,はらはらどきどきのヒチコックの世界を結構楽しみました。後年のヒチコックの「北北西に進路をとれ」のラシュモア山の場面は勿論,「007 美しき獲物たち」の金門橋のシーンなどは,本作の自由の女神の場面が影響しているのでは?思ってしまいました。 【koshi】さん 7点(2001-12-23 19:04:59) |