1.《ネタバレ》 若松孝二監督の初期の作品。晩年「キャタピラー」や「実録連合赤軍」など社会派を撮っている監督である。昭和の激動の時期、社会でもがき苦しんでいる若者の叫びの如く、スクリーンに激情をたたきつける監督である。ゲバゲバのゲバとは国家など大きな存在への暴力などによる実力行使のことらしい。ここでも非力な二人の恋人(女性の方は元ボスの女という設定)の大きな存在の前でもてあそばれる様を描いている。タイトルは大島渚によるもの。一見、眉をひそめるようなタイトルではあるが、ギリギリのところで人間を描いている。レンタルビデオ屋に一角を占めるAV(アダルトビデオ)とは志もメッセージも違う。エロはエロでも、一人の人間がもがき苦しむ過程で獣になる一歩手前の煩悶を描いている。人間が獣ではない、獣になったらお終いだというのをメッセージとして伝えてこそのエロこそ、文化と言える。AVは文化ではない。