2.《ネタバレ》 女子高生の気持ちを十全に表現してみたいとかいうような趣味は私にはない。『カリオストロ』はある意味少女の純真さに触れた悪党ルパンが改心する物語だったが、少女性とはあの作品のように聖域扱いすべきであり外からただ眺めているだけでいいのである。ずかずか踏み込むべきではない。もし変なものが出てきたらどうすんだ。
【以下バレ】
この監督はそのような偏見含みの垣根を、実に丁寧な日本語モノローグによって取り払ってみせた。むろんどこまで意図したのかは測りかねるし、映画のやり方としてはやや反則気味かもしれないが、結果的に少女の気持ちを私のようなおじさんにまで知らしめ、感動できる物語の主人公として優しく表現してみせたのである。
むろんだからといって女子高生に興味を抱くようになることなどないが、ただまあ私ら以降の世代が、なんでああまでアニメっ娘に執心するのかという気持ちはほんの少しわかったような気がする。他人に自分の言いたいことを伝えることができれば方法などどうでもいいので、映画としてどうかという意見に対しては、たかが映画じゃねーかと言い返せばすむ話である。
もっとも、笑ってしまうほど長く大袈裟な終わり方が、この監督のいびつに肥大化した自我しか表現していないというのもまあ事実かもしんないが。