1.《ネタバレ》 前作同様、これ以上ないくらいのバッドエンドで後味は極めて悪い。後味の悪さでいったらシリーズ中最高かもしれないです。ラストなんかは、『ファニーゲーム』を連想させるオチ。でもそれが良いんです。この作品はスプラッタ愛、ホラー愛に満ちています。言い換えれば悪趣味ということです。
スプラッタ描写ばかりに目がいきがちですが、キャラに個性があり、ストーリー運びが上手いので大変見応えがあります。前作同様、今作でも『何とかなりそう』な展開のさせ方がうまいです。
最初から手も足も出ない相手であれば逃げの一手です。でもなまじ対等に戦える相手だし、逃げようと思えば逃げられそうな状況なので、『油断』『慢心』が生まれます。そこに付け入るやり方がうまいんです。それぞれが迎えるバッドエンド。でも、もっとうまくやれたんじゃないかというもどかしさ。いや、そう思わせるのがうまいのかな。
フェスで街の人間がほとんど出払っているというシチュエーション作りもうまいです。
フェスが終わるか、フェスの警護についている警察仲間が戻ってくるだけでいい。連絡が取れるだけでも良い。でもそうはさせないストーリー展開。反撃も、助けを呼ぶのも、後一歩というところですべて失敗に終わります。本当にもどかしい。
奨学金や麻薬の罪の心配。卒業後の進路。みんな明日以降のことで頭がいっぱいな前半が効いています。訪れない未来。報われない結末。この絶望感は、不条理ホラームービーとしてなかなかです。