1.《ネタバレ》 人間と見分けがつかないアンドロイドが運用されている未来にあの車や洋服は残念でした。全体的に細部の作りこみが甘くパソコンやシステムもアナログ風で一見すると80~90年代の景色になってしまっています。(そのわりにガラス細工のような3Dシステムは美しくて凄い)
全体的に眠たい流れのわりに終盤の展開が唐突で説明不足な部分が多いのも物足りなさを助長しているように思います。結局アレックスのせいでこの結末になってしまったことを彼自身があまり悔いていないように見えるのも残念でした。自分の立場を捨ててエヴァのために生きる(守る)選択もアリだったような気がします。(今度こそ何かをやり遂げて欲しかった)
<ここから盛大にネタバレしますのでご注意!>
ただし大まかなプロットは大変素晴らしく、昔恋仲だったパートナーが実兄と幸せな家庭を築いていたり、町で見かけた素晴らしい少女が彼らの子供だったというのも相当キツイ展開です。更に元恋人が昔の仕事をやり遂げていて、〇〇が××だったという衝撃的な展開が追い打ちをかけます。自分がアンドロイドだと気づかずにアレックスに懐いてゆく流れも素晴らしく、ロリータ系の恋愛感情も沸く複雑で極上なストーリーに仕上がっています。
「目を閉じたら何が見える?」というワードは映画を締めるにはふさわしく、とても泣けるワードです。ピノキオやアトム、ぼくのエリ系の物悲しい余韻が残る素敵な映画なだけに、説明不足感と粗が気になってしまい本当に惜しい作品でした。あと15分延長して終盤もう少し丁寧にゆっくり描いて欲しかったです。