4.《ネタバレ》 うーんなるほど、これは観る側の現在の
立場や年代によって賛否が分かれる内容ですね。確かに
最初から最後まで身内同士の下卑た会話と罵りあいに終始し
ていてまっとうな人間はおらず何とも救いがありません。
これが延々と続くのかと思うと観るのをやめようとという気
になったりしました。
ただどちらかというと人生の黄昏時に近づきつつある自分的
には、見続けるうちに段々と引き込まれてしまいまい、最後
のテロップが流れている間に何ともいえぬ余韻が残りました。
映画を通じてヴァイオレットの憎々しい姿が印象的ですが、
言い争いを見ていると3姉妹はヴァイオレットに対して現在の
薬漬けのふしだらな生活は批判するものの、子供の頃のことで
文句をいうシーンはほとんどありませんでした。
3人を育てるためにヴァイオレットは身を粉にして努力し、
精一杯の愛情を注いできたのでしょう。
それにも関わらず、亭主は自分の妹と不倫して子供を作り、
娘たちは自分を捨てて出て行ってしまえば、やっぱり荒れた
くなりますよね。
精神科病院での騒ぎの後ヴァイオレットが草原を走って逃げる
シーン、クリスマスプレゼントと称して薄汚れたブーツを贈ら
れた話、そして3人姉妹に去られて一人残されたヴァイオレット
をジョナが慰めるラスト・・・切ないですね。
さすがにメリルストリープの演技はすばらしかったですが、
他の俳優さんたちもそれぞれに持ち味を出していたように
思います。日本で日本の俳優さんにより舞台劇が演じられ
たようですが、比べて観てみたかったです。