20.《ネタバレ》 映画に出てくるヒーローというものは、ヒーローらしくあって欲しいし、ヒーローってのはどこか陰があった方がいい。しかしこれを突き詰めていくと、いっそ陰があり過ぎてアンチヒーロー化した、要はダメ男の映画ってのもたまには見たくなってくる。 さてそのダメ男を演じるのがクリス・プラットでよいのかと言うと、いや、もっと見るからにダメダメであってもらえたら、さらにはそのダメ男が最終的にヒロインを、そして我々を惹きこんでくれたら、とは思うのですが、これは製作サイドとしても大きなリスクがある訳で。最悪、多くの人には嫌悪感しか残さない可能性も出てくる。だもんで、クリス・プラット。一種の保険ですね。多少はグダグダになって見せるけれど、好感度はそれなりに保ち、安心感はあります。その分、予定調和的となり、作品の意外性や迫力が低下することは否めませんが、安全第一、安心第一、ってところでしょうか。 トラブルにより、宇宙旅行の人工冬眠から、一人の男が目覚めてしまう。目的地までのあと90年、クルーも他の乗客も起きてこない、だだっ広い最新鋭の宇宙船の中で一人ぼっちの状態。まさに、アレですね、明日から大変な仕事が待ってるのにどういう訳か夜中に目が覚めてしまい、家族はみなスヤスヤ眠ってるのに自分はちっとも眠れず気が焦るばかり、朝はまだまだ来ないし・・・というあの状態を、壮大なSF映画に。 こういう状態に置かれると、精神的な危機を迎えてオカしくなってしまう、というのは、シャイニングを見てもわかる通り。いや、ジャック・ニコルソンは最初からオカしい奴だろ、とスティーブン・キングが怒るのだけど、とにかく、クリス・プラットですら参ってしまう。シャイニングがガランとしたホテルを描き出したように、この作品でも、未来的で豪華、だけど空虚な宇宙船内部のしっかりと描き出して見せます。限られた空間が舞台となっていながら、見てて飽きることはありません。 で、よりによってこのダメ男が、眠れるオーロラ姫を起こしちまう。なるほど、主演二人がそもそも好感度高いので、ラブラブになってくれたらそれはそれで良し、安定感がある分、その後に待ち受ける破局のインパクトが大きくなる、という効果はあるかも知れません。 閉鎖空間で、一人で起きてるのもツラいけど、起きてる二人の間が険悪なのは、もっとツラい。そりゃそうだ。ははは。際立つ閉塞感が、たまらない。 で、その後、宇宙船の異常が進み、クルーの一人が起きてきたりして、物語が加速し始める。クライマックスの危機が、ごめん、何か大変そうな状況なのはわかるけど、宇宙船のどこがどういう状態で何がボーボー燃えているのやら、もうひとつよくわからない。勢いだけで見せられている気がしてきますが、盛り上がることは盛り上がります。 最後、使える冬眠ポッドは一名分。ヒロインを眠りにつかせ、主人公は孤独に残る、というのが綺麗な終わり方だけど、たぶん、この人、1年後にはまた彼女を起こしちゃって続編映画が始まってしまうので、まったく解決にならないのでしょう。 この作品は、それとは別の幕引きをしてみせる。人生ってのは外因的なものに左右されそれは時に不本意かもしれないけれど、重要なのはその人生をどう生きて何を残すかだ、というメッセージ。 ラストシーンは明らかに、そんなのあり得ないでしょ、という光景がそこに現れます。あくまでファンタジー、ということですね。あるいはお伽噺と言っていいかもしれない。理屈ではない、フワッとした浮遊感みたいなものが、後に残ります。 ところで、この作品に登場する二人の男女には、金銭的にはやはり「男<女」の格差があって、こういう部分から宇宙版タイタニックとか言われたりするんでしょうが、そんな事言われたら、もしかして氷山がタイタニックにぶつかるように仕向けたのは、実はジャックの仕業だったのか?とか思っちゃったり。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-01 07:40:18) (良:1票) |
19.ストーリーにオリジナリティがあり、とてもおもしろかったです。それにしてもジェニファー・ローレンスは美人でスタイルが良い上に、喜怒哀楽の演技がとても上手ですね。素晴らしい女優さんだと思います。 【みるちゃん】さん [DVD(吹替)] 7点(2023-08-13 13:23:38) |
18.《ネタバレ》 これは衣食住の整ったロビンソン・クルーソーという感じですね。 というわけで、起こすべきか、起こさざるべきか、それが問題なわけですね。 1人で生きていくのは寂しいし、起こしちゃうよね。 1年我慢しただけでも偉いと思うよ。 起こしたこと黙ったまま2人で余生を過ごして、死に際に起こしてくれてありがとうって言われるなら良かったけどね。 まあ、そんな生温いラブストーリーになるはずもなくて、殺され掛けたのも仕方ないね。 ラブラブのときにおっさんが起きて来たら邪魔者に感じただろうけど、いいタイミングだったので救世主に思えました。 壊れたまま2年も頑張った宇宙船も偉いと思うよ。 いろいろあったけど、最後の選択はとても感動的で良かったです。 あと、子孫を残さなかったんだろうか?って、ちょっと気になりましたね。 子供が成長して年頃になったら、また誰か起こしちゃうんだろうな。 【もとや】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-12-28 16:53:21) |
17.《ネタバレ》 あれ?SFじゃなかったような?アン・ハサウェイのサスペンススリラーだったような?…と鑑賞したけど全くの別物。 原題が同じなのでわざわざ邦題を単数形にしたのかな? 突然主人公に降りかかる切ない運命…どうするのかなと思ってたらやっぱり孤独に耐えきれず、思いを寄せる人のカプセルを開けてしまう… 順調に進んでいた幸せな展開も「二人の間に秘密はない」という言葉を真に受けたアンドロイドのおしゃべりで真相判明、一転二人の関係は最悪に… と、ここまでは緊張感と共感の物語でしたが、その後の流れが予定調和過ぎてちょっと… その後発生した宇宙船トラブルに二人して対応するも、罪の意識に悩む男は自分の身を挺して女を救い亡くなってしまう。しばらくは孤独に耐えてきたヒロインもついに堪えられずに別の人のカプセルを開けてしまう、こんな皮肉な展開の方がインパクトあるんじゃないかなぁ?観終わってからの感想でしたが、まずはメデタシメデタシ。 【ProPace】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-08-21 15:20:37) |
16. ええー?許せるかなー?どーかなー?いや、許せないでしょ、やっぱり。 ただジムも純粋に被害者なんですよね。もちろんだからといって他の人を道連れにしていいわけはありません。ですが、最初目覚めたのが自分一人だと気づいていなくて、鏡の前でウキウキしているところから、その後あまりに残酷な現実をたたきつけられたジムに同乗の余地はあるかと思います。 オーロラに真実がばれたとき、正直に認めたのは潔し。その後のオーロラのキレっぷりも良い。寝ているジムを殺しそうな勢いで殴る蹴る、いや、鈍器で本当に撲殺寸前までいっています。そーです。そんぐらいキレてもらわないと。 自分がジムと同じ状況になったら、気がふれてしまうかもしれません。無人島であれば、まだ誰か助けに来てくれるかもしれないという希望がもてます。ですがジムの状況ではそれすらもかなわない。ひとカケラの希望もない。それが最も辛い。 オーロラを目覚めさせたこと。そしてそのことを隠そうとしたこと。この2つは絶対に許されません。ですがその2点を除けばジムはいたって常識人。善良と言っても良いでしょう。 終盤ではジムの本来の善良さが炸裂します。贖罪の意味もあったのでしょう。オーロラと宇宙船を救うために自らの命を犠牲にしようとします。そして奇跡的に一名をとりとめた直後、今度はオーロラをもう一度コールドスリープに入れようとする。もう自分の事は二の次。オーロラの事だけを考えて行動しています。私は、ジムが自分がやってしまったことを心から後悔しているのだと感じました。 私はジムがしでかしたことは許せませんが、ジムという人間は許せそうです。 そして映像は美しく、映画は面白かった。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-06-15 03:59:07) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 宇宙船の造形とジェニファー・ローレンスの美しさに【7点】 細かな部分は端折って宇宙で主役が目覚めるところから物語は始まる。 一人目覚めて我々凡人が考えそうなことを一通り楽しんでそこから本当の物語が始まります。 この物語は何度も出演者を絶望の淵へと追いやり見ている方も度々切なくなります。 また宇宙船内部の造形も魅力的に描かれており、無重力時にはプールの水ごと空中に浮き上がり その中に人間が閉じ込められたりと凝った映像も良かった。 ただ通信に何十年もかかる理由は何でだろう?光速は秒速30万キロ若しくは無限大と言われ、 冬眠カプセルや120年も飛行続ける技術があるのに通信に何十年もかかるのは無理があるかなあとか 野暮なことは言ってはいけなさそうではあります。システム的には宇宙船の飛行軌跡の一定間隔ごとに 中継局を落としていったら解決しそうですね(笑) |
14.《ネタバレ》 登場するのはほぼ二人。 二枚目でありながら、孤独に怯える演技もできるクリス・プラット。 匂い立つような色気がありながら、怒りの表情も豊かなジェニファー・ローレンス。 いや、見事な配役。 クリスの静とジェニファーの動のバランスが素晴らしい。 そしてローレンス・フィッシュ・バーンの抑えた演技がこれまた重厚でカッコいい。 ラスト。 罪滅ぼしのために、コールドスリープの方法があると告げるジムだが、オーロラが自分との人生を選んでくれることを期待している。 そして期待に応えるオーロラ。心中複雑だろうなあ。 二人のラストは語られないが、二人同時に死ぬことは考えられないから、どちらかがまた孤独な宇宙に取り残されることになったのだろうか。 【roadster316】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-12-27 21:51:44) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 非日常SF体験をさせてくれる類の映画。斬新かつインパクトのある設定に、思いっきりトリップさせられました。ただ、最後、女性をコールドスリープさせなかったのは意外でした。どちらが先に死んだのだろうかとか、二人の最期を想像するとやりきれません。見終わった後も色々ざわざわ残りました。 【クレイバード】さん [地上波(字幕)] 7点(2020-05-23 22:08:48) |
12.《ネタバレ》 設定が面白い。まったく荒唐無稽なSFでありがなら、身につまされるというか、少なくとも前半は良質なサスペンスを見ているようでした。犯罪者が、その経緯を隠して被害者に寄り添い、どこまで嘘をつき通すかという展開はけっこうハラハラ。遠い昔、そんな話を『ブラックジャック』で読んだような気がします。 ところが中盤にあっさりバレて以降は、よくある宇宙ものに落ち着いていきます。宇宙船に重大なトラブルが起きて、とにもかくにも協力せざるを得なくなるというのは、ちょっと出来すぎじゃないですかね。 ラストもちょっとあざといですが、選択としてはなかなか秀逸。考えようによっては、120年先に目覚めてナンチャラ星で5000人とともに人生を再開するのも、30年で目覚めて誰もいない巨大な宇宙船内で悠々自適な生活を送るのも、さして大差はないような気がします。人生に刺激を求めたのだとすれば、後者のほうがむしろ刺激的でしょう。周囲に人がいないことが、そんなにストレスなのかなと。 それはともかく、主な登場人物はたった4人(正確には3人と1体)。舞台はほぼ架空の宇宙船の中のみ。つまりCG等でいろいろ処理できるわけで、案外低予算な作品かもしれません。それでも面白さは十分。知恵とはこうやって絞るものだと教えられた気がします。 【眉山】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-04-18 02:27:24) |
11.最近のSF苦手意識あったけど、これは素直に良かった。金をかけたであろう近未来な宇宙船に新しいデザイン、これだけでも見てて楽しい。 下手なラブロマンスよりよっぽどラブロマンス。 ジェニファーローレンスのボディラインが素晴らしいと思いました。 |
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10.《ネタバレ》 宇宙船で一人目覚めてしまう謎と孤独ドラマから、ラブストーリーを挟んで、終盤にようやくサスペンスとなる。ストーリーの語り口は不自然でじれったい場面が多く、脚本はよくない。それでも、宇宙船の外観と内部のヴィジュアルが奇抜で美しいのと、主演2人が役に見合う息の合った演技をしているので、飽きずに楽しめた。 【カワウソの聞耳】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-12 22:06:49) |
9.《ネタバレ》 故障により突然目覚めさせられ、絶望と孤独の中気が狂ってもおかしくないと思う。そんな精神状態だったからオーロラを起こしてしまったんだろう。絶対ダメなことはわかっていても分かる気がする。あとは特に珍しくもない展開が始まるけどラストで分かる二人のその後の暮らしぶりを想像すると清々しい気持ちになれたのでこの評価。 宇宙船や内部のデザインも素晴らしかった。特にプール。宇宙に飛び出てしまいそうなあんなプールで泳いで見たい。 Jin 【仁】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-13 00:08:46) |
8.《ネタバレ》 孤独は辛いね。でも巻き込むのはよくない。生身で宇宙に出ていこうと葛藤する場面がすべてを物語っていた気がする。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-12-24 18:13:16) |
7.《ネタバレ》 よくある宇宙船モノではあるが、この映画が面白いのは、そこにラブストーリーを絡めてきてること。男の身勝手さを許してしまうくらいの、男への敬意を感じたときに女性は愛を受け入れる。そのようなラブストーリーに宇宙船の危機を絡めている。 冒頭の、男が自分一人船内にいて、90年間、一人で生きていかなければならなくなった苦悩がもう少し丁寧に描かれてあれば、ドラマとしても見応えがあったと思う。ここでの苦悶は手塚治虫の漫画のテーマにもなりそうだ。 単純じゃない愛と正義が、無機質な宇宙船の船内の感じとミスマッチで面白い。 他にも見せ場が多い映画だった。無重力のプールで溺れかけるところは斬新なアイデアだと思う。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-11-25 16:39:23) |
6.《ネタバレ》 SFと恋愛がここまで一体化した作品は初めて見たような気がします。 このシチュエーションは、SFでしかできない。 でも恋愛としては等身大のものとして共感ができる。 ジムの行為を批判する人も多いでしょうが、もし自分が彼の立場だったらと思うと、、、、 正直、同じことしちゃうだろうな。 あの船は二人いなきゃ直すことはできなかったし、結果オーライよね、うんうん。 それから、宇宙船の造形及び船内のインテリアが素晴らしい。 遊泳してる時の宇宙空間の美しさも含め、SF好きとして及第点つけたいです。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-01 22:16:37) |
5.《ネタバレ》 これは壮大な、愛と赦しの物語ですね。ジェニファー・ローレンスは人を惹きつける。てか彼女は窮地に立たされる役がうまい!それに引き換えジム役のクリス・プラットは、ハリウッドが今推したい注目俳優ではあるのだけれど、存在感や演技力に関してはまだまだ中の中といった感じ。特にこの映画にとって一番肝となるオーロラを起こしてしまうシーン。かなり難しいレベルの演技が求められるあのシーンは、やはり普通な、ありきたりな印象だった。 それからSFとしての設定について。それを言っちゃあお終いよ、なツッコミをさせてもらうと、あれだけのテクノロジーのある宇宙船で、冬眠ポット故障時の対処が不十分なのにはやはり疑問を投げかけずにはいられない。まあそれ言ったらこの話、作れないんだけどね(笑) プールで泳いでいる時に無重力状態になっちゃったシーン。あのシーンは秀逸。日常が非日常に変わる見事な演出でした。過去、宇宙船の中の絶体絶命的なシーンで、こんな演出見たことなかった。斬新で記憶に残る。 |
4.《ネタバレ》 SFはこうあるべきだと感じた作品です。CGに頼り奇異な映像をこれでもかと見せつけるのではなく、人間の本質を描くひとつのツールとしてSFを使う… そこにはヒューマンドラマがあります。絶望、堕落、憧れ、葛藤、決断、歓喜、嘘、裏切り、断絶、死、再生、未来、熟成… そのすべてがこの作品には描かれていました。見終わった後も自身の生き方を照らし合わせながら、まるで極上のディナーを頂いた後のように、余韻を深く味わうことができました。 あと、宇宙船のデザインには完全にノックアウトされました。「2001年宇宙の旅」以来、回転による遠心力で重力を発生させるのは常套手段ですが、この空間配置によってどの部屋からも宇宙を障害物なしに観賞できるのは素晴らしい。120年見続けても飽きないかも。重力ターンのシーンも見事で、こんな宇宙を旅してみたいと心底思わせてくれました。 昨今まれに見る、極めて上品なサイエンス・フィクションの作品でした。 【windance】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-04-16 02:17:27) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 片道120年の宇宙船旅行を冷凍睡眠で・・ 途方も無い未来物語です。 てっきり、第三者の企みとか、人工知能の暴走とか、宗教オチかと予想してました。 ところが、簡単に隕石と衝突して壊れたり、その船が自己診断して報告も出来なかったり もう一度冷凍睡眠する設備が無かったり、遊泳用宇宙服に推進装置無くて命綱だけだったりと 物凄い未来の科学技術とは吊り合わない設定で穴だらけでした。 まあ恋愛物としては良くできていてカップル向けです。 SFというには脚本が雑で、でも映像が超キレイで、恋愛物としては評価できる作品・・て どっかにあったなあと思っていたら・・ アニメ「君の名は」とよく似ているかも。 ハリウッドの超大作に失礼ではありますが、意中の彼女を連れて行くならコレでしょ。 途方も無い孤独に打ちのめされる男と、事故や故障ではなかったと気付いて慟哭する女、 主演の俳優さんは良い演技していた思います。選ばれた女はともかく、先に目覚めた男が 不細工だったら、物凄いお話になっていた? 笑ってはいけませんが・・ なんか手塚治虫さんの世界観に通じるお話でした。 【グルコサミンS】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-04-13 21:06:56) |
2.飛行機で見たのですが、なかなか面白い映画でした。 王道な感じがします。なんで、ひねりが効いた感じが好きな人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。 まず、90年後に目覚めるはずが、機械の故障で5000人のうちたった一人目覚めてしまったというアイデアで、 何となく次にどうするか、という辺りが見えてくるかもしれません。 この辺りは予告編にあるので、大丈夫かなと。 映画としては、娯楽大作という感じで神経戦とか考えさせるものではなく、 デートや友達と劇場で楽しむという部類の映画になるのかと思います。 【シネマファン55号】さん [インターネット(吹替)] 7点(2017-04-09 03:02:23) |
1.《ネタバレ》 宣伝を見る限りではSFミステリーかと思いきや、冒頭で豪快にネタばらしをするためミステリー部分にはさして重きが置かれていません。2009年の『パンドラム』と似たような設定であるため、ミステリー部分を引っ張っても観客にとってのサプライズにはなりえないとした製作者側の判断があったのでしょうが、こうした取捨選択によってラブストーリーに重きを置いた簡潔な物語となっており、その判断は吉と出ています。ラブストーリーとしては、これがなかなか良くできているのです。惹かれあって、破局して、再生してという王道の展開がきちんと盛り込まれているし、クリス・プラットとジェニファー・ローレンスという今一番勢いのある俳優達の魅力によって、主人公カップルの好感度が非常に高くなっています。最後まで飽きずに楽しめました。 他方、SFとしてはあまり真剣に見られない作品となっています。宇宙船を運営しているのは民間企業らしいのですが、たった5,000人の乗客と物資を運ぶだけで恒星間航行のような大プロジェクトにかかるコストをペイできるようには見えないし、宇宙植民地にロマンを抱く入植者達はともかく、アヴァロン号のクルー達はどんな動機で人生を棒に振るような航海に臨んでいるのかも見えてきません。修理の技術を持つ主人公と、アヴァロン号のあらゆる区画へのアクセス権限を持つ船長がシステムエラーによって偶然に目を覚ましたことはご都合主義以外の何物でもないし、肝心の宇宙船修理も簡単な部品交換であらかた済んでしまうという激安ぶりで、考えれば考えるほどおかしな点が目に付く内容となっています。設定に対してもう少し丁寧な説明があれば作品全体の印象は格段に良くなったと思うのですが、たまに雑な部分があることは残念でした。 【ザ・チャンバラ】さん [試写会(字幕)] 7点(2017-03-15 00:06:44) |