2.《ネタバレ》 実話ベースとのことだが、中国の抱えるさまざまな問題がうかがえる。
誘拐された子供を必死で探している親の思いにつけこんで、騙して金をせしめようとするヤカラがエグすぎる。
人間の一番汚い部分を見せ付けられるよう。
一人っ子政策のために誘拐された子供の死亡届けを出さなければ次に子供が作れない。
断腸の思いで死亡届を書く親もいる。
そんな親の苦悩も誘拐犯には届かないことなのだろう。
誘拐された子を育てたホンチンは、夫が誘拐したというのを本当に知らなかったのか。
薄々そうかもしれないと感じていながら、あえて追及しなかったような気もする。
育てた子を取り上げられたかわいそうな母という立場になっているけれど、なんだか少しカンに障ってしまう。
子供の親であるティエンとジュアンにすれば、ホンチンが悪い人間ではないにしても、まとわりつかれてはたまらないだろう。
ホンチンよりも、ティエンとジュアンに感情移入してしまう。
ホンチンは娘を取り戻すための裁判での有利になる証言を得ようと、夫の同僚だった男と寝るほど手段を選ばず必死。
ところが裁判は思い通りにいかず、妊娠できないと思っていたホンチンが、寝た男の子供を妊娠したのが何とも皮肉な結末。