1.《ネタバレ》 猫は主体的な生き物だ。だから時々出て言ったりもするし、勝手に戻ってきたりするのだ。だから家族なのだ。世間では野良猫を捕まえて避妊手術をして回ったりする連中がいる。彼らにとって猫は家族ではなくただの害獣・百歩譲ってもペットどまりだ。猫のためなどという言い訳するやつもいるが完全なジェノサイドだ。エジプトの子供を襲って回ったユダヤの神か!生き物の第一義的な(そして恐らく最終的な)目的は、次の世代に命をつなぐことである。それを無理やり奪い取るのは、他種族の傲慢である。
また、猫を飼うときには最後まで面倒みられる経済的余裕があるか、看取ることができる年齢か、など審査する人も多い。余計なお世話である。貧しくたって子供が欲しいではないか。高齢でも、というか親は普通は先に死ぬ。
話が逸れてしまった。
ナナは悟の家族だった。良き家族だった。彼は悟と暮らせないのなら潔く家を飛び出してノラの生活に戻るが、悟の最期を看取ることだけは出来た。悟も幸せだったろう。私ももう一度猫を飼いたいと思った。保護猫運動家の連中からは、「もうダメ」と言われるような年齢と収入だったりするが、わが子(勝手に猫を「子」扱いするのも傲慢かもしれないが)に看取られて死ぬのは幸せなことかもしれない。