2.《ネタバレ》 8bitさんご指摘ありがとうございました。原題で検索していませんでした。
そういえばジョン・レノンを撃った男の映画もありますねえ。
いかにもヒラリー・スワンクがやりそうな役柄ですがオファーが無かったんでしょうか。
この女性は単に「頭のおかしい人」ということで済まない何かがあるということですね。映画にする価値があると。
私も単に「ビョーキの人」ということでヴァレリーを評価してそれだけでいいのかという気持ちがあります。それはいったいなんなのか。
「労働を拒否する」「他人の寄付で生活する(物乞い)のが当然である(そして恥じない)」「自分の主張は絶対に正しい&他人に広めたい」…さてさて、これは何かと似ています。というか同じです。いろんな宗教の創始者の人生に。
ヴァレリーのしていたことは、基本的にキリストや釈迦と同じです。これは「教祖様」の取る態度なのです。教祖様と乞食は紙一重です。
私は実は、彼女の主張が「男性撲滅」であったことについては、あんまり重要じゃないのではないかと思っています。それよりも、「教祖と同じ生活態度を意識的に選んでいた」ということのほうを重視したい。
私の評価はこうです。まかりまちがえば、または時代が違えば、教祖になったかもしれない人間が途中で失敗したケースであると。
まあ彼女の思想が「男性撲滅」である限り、成功する可能性はありませんけども(女はみんな男が好きですからねえ)、内容が違えばヴァレリーには一大教祖になる素質があった。だから「内容」はあんまり重要ではないと思うのです。キリストにせよ釈迦にせよ、最初は周囲の人間から大顰蹙をかって嫌われていたに違いないのです。ヴァレリーと同じように。
そして、人間界にはときどきこういう人が出るのだと思う。成功することは稀なので、おおむね精神病院で一生を終えたり、野垂れ死にしたりするのだと思う。ヴァレリーはそのうちの1人…という目で見たらどうかと思うのだった。
作品としては地道な作りに好感がもてる。ただウォーホル役はもっと貧弱な体格の役者にするべき。
カレの貧弱な肉体と、その肉体が作り出したアートが無関係であるはずはないからだ。