1.《ネタバレ》 2013年に起きた事件をモチーフにしているとのことですが、今も必ずこのような事案が発生しているはず。切実なニーズと莫大な市場が想像できます。新人のティ・ガールである若葉に指導する形で、仕事の概要を観客に見せるパートなどうまいなと思いました。喫茶店での勧誘シーンも、なんか伊丹十三監督の女シリーズのよう。■しかし。この舞台だからこその超絶面白い高齢者ギャグ(不謹慎)が放り込めたんだと思うが、終始シリアスな話運び。鑑賞後のトークショーでの監督を拝見して、面白話もお手の物だったんだろうけどあえて入れなかったんだと思いました。■また、こんな仕組みが警察に摘発されないわけにはいかないのですが、警察の説明が「ルールを逸脱したから」というのもなあ。おそらく、実際には、軽度の認知症がらみや、年金から何からつぎ込んでしまうような、ルール云々以前の実害があったはず。これはこれでいいじゃんという面ばかりで、負の側面が少ない。■こんな実話よく残ってたなっていう、せっかく良いカードを引き出したんだから、もう少し高い役(やく)を狙ってくれればよかったのにと思っています。