2.「西洋鏡/映画の夜明け」がタイトル通り西洋からの視点で、変化を正しいこととして捉えていたのに対し、こちらは開放経済によって変容していく北京の下町を舞台に、「温故知新」という東洋的視点で、廃れ行くもの達を愛情たっぷりに描いていく。主人公が新しい中国を体現してるなら、その父親は古い中国、そして弟が、常に時代の変化の犠牲となってきた社会的弱者を体現している。古い中国には居場所のあった弟も、新しい中国では片隅に押しやられるだけ。主人公が古きものの懐の深さを知った時、時代の変化が彼らを追い越していく。これは誰にも止められない。しかし、たぶん主人公は古き中国を内包した新しき中国人として、彼なりに努力していくことと思います。日本人の私にはそれが良く解ります、7点献上。