3.人形の体から出たい出たいと言い続けて、早くも第3作。相変わらず失敗ばかりで、実は結構、チャッキーのままでいることが気に入っちゃってるんじゃなかろうか。
もちろんアンディ君の方も、だんだんチャッキーに襲われて満更でもなさそうな。
という、惰性の産物、第3作です。しかし、チャッキーがただ襲うんじゃなくって、背後でこっそり(意味も無く)ゴルフのパターを動かしてみせたりする小技が、なかなか効いてます。
ホラー映画とは言え残酷なシーンは多くなく、どっちかというと一番残酷な目にあってるのはチャッキー本人。人形だから多少残酷なシーンがあっても目を背けるほどじゃないよね、という安心設計。今回も顔面切断という、普通ならとても正視できないような凄惨なシーンを、実にサラリとサワヤカに演じてくれています。
そう言う意味では、反則を散々繰り出しつつも流血は自らが率先してやってみせる悪役レスラーみたいなもんですかね。
陸軍学校が舞台ということで、もうちょっと派手なドンパチがあるかと期待しちゃったのですが、代わりに、舞台を唐突に遊園地に変えてみせ、一粒で二度おいしい構成。
それにしても、ホラー映画に出て来る殺人鬼ってのは、チェーンソーだのナタだのギロチンバサミだの、何かトレードマークになる凶器を持っているものなのに、チャッキーは存在自体がギミックになってるせいか、定番の武器を持たせてもらえず、結局この第3作を見ても、最後は「弱い!」としか思えないのが、悲しいところではあります。