9.《ネタバレ》 先に製作された「ジョーズ」を感じる部分は確かにあります。
オルカと対決するあの船も、ロバート・ショウ演じるクイントの船とよく似ている気がする。
しかし本作と「ジョーズ」と決定的に違う所は、無表情、無感情に人を襲うジョーズとは異なり、
本作ではオルカの表情や感情をとらえているところだと思います。
度々アップでとらえられる目が恐ろしくもあり哀しくもあります。
その勝敗は早い段階で想像はつきますが、ラストのシャチ対人間の一騎打ちは見応え充分。
モリコーネの愁いを帯びた音楽やこれも愁いを帯びたシャチの鳴き声も実に効果的に挿入されています。
海洋パニックものとして、映画の面白さは「ジョーズ」に軍配が上がるかもしれません。
「ジョーズ」と比較されることは十分承知の上での本作だと思いますが、
本作はシャチをただの悪としなかったところが良かったのではないかと思います。