5.全編モノクロ映像の反核映画。戦時中及び原爆投下時のシーンは少なく、
戦争終結後の主人公たちの姿を追ったシーンが約8割方。
原爆病ばかりでなく、その後の人生に様々な影響を及ぼすエピソードが丁寧に描かれており、
直接的な悲劇シーンを延々と見せられるより、原爆の恐ろしさがひしひしと伝わってくる。
北村和夫、市原悦子は相変わらず安定感のある演技を見せてくれるが、
スーちゃんも思っていた以上に頑張っていた。
原爆投下直後のシーンはかなりリアルで、当然のことだけど、全体の雰囲気は重苦しい。
決してドラマ性の強い作品ではないが、原爆の恐怖を側面から訴えた良質な作りの作品だと思う。