11.《ネタバレ》 “POLTER GEIST”ドイツ語でガイストはゴースト。じゃあポルターって??『ゴトゴト(と音を立てる)幽霊』みたいな意味みたいです。
パート2公開時から“呪われた映画”との触れ込みがあった気がします。私も2公開の近辺で、テレビで観たんだと思います。そして3では主役のキャロル・アンまで…作品自体より周辺の事情の方が怖いという変わった作品でした。
トビー・フーパー監督作品ですが、ほぼスピルバーグの作品ですね。当時の最新SFXを、死体や悪魔、宇宙怪獣やクリーチャーでなく、幽霊の表現に使ったのって、本作が初だったかもしれません。そして、日本ホラーの傑作『リング』の前に「テレビの砂嵐って何か不気味」って思わせたのは、この映画の影響がかなりあったんだと思います。アメリカ国歌が流れて放送が終わり、砂嵐になるところから始まる。ふと思ったけど、NHKって今でも放送終了時“君が代”流してるのかな?
スピルバーグらしいなって思うのが、夜中の犬の活動を追いながら、寝ている家族(構成)を紹介していくのが、まず巧い。そして序盤はほぼホームコメディで、おじさんが集まってアメフト観戦してるのも微笑ましいし、死んだ小鳥の処理や隣人とのチャンネル争いなんかも面白いです。
ホラー描写はゆっくりと、スローペースでやってきます。砂嵐と話すキャロル・アンはちょっと不思議程度。寝室のピエロや庭の老木は子供時代に還ったみたいに何気ない怖さを感じられました。テーブルの上に椅子が乗ってるのは驚いた(アレどうやって撮った??)けど、ポルターガイスト現象に大はしゃぎするママは子供みたいで可愛かったな。
キャロル・アンが行方不明になって、不思議な現象が笑えない事件になっていくのも良いですね。レシュ博士ら専門家が役に立たないレベルの超常現象。助手の顔が崩れていく幻覚は、この映画の怖さ的にピークかもしれません。でもこの映画のキモは恐怖表現ではなく、超常現象のSFX表現で、キャロル・アン救出シーンは手に汗握りました。頼れる助っ人タンジーナが、小柄でカワイイおばさんなのが、当時は意外性があって好感度が高いです。
キャロル・アンを救い出し一件落着と思いきや、ママを襲うエロい幽霊に、地面から湧き出る棺桶とガイコツ達。って二段構えのゴージャス仕様。「墓石だけ動かして、死体をそのままにしたなー!」ここ結構好きだったりします。
決して怖い映画じゃないけど、ホラー映画と言うより、オカルト映画として面白いです。