13.《ネタバレ》 父を殺され、愛する人も殺されちゃう主人公。ヒーローものとしてはちょっと暗いストーリー。だけどそれが復讐のカタルシスへとつながって・・・いかない!なんだこれは。ブルズアイ生きてる。キングピンへの制裁ぬるい。そして何かを匂わせたまま迎えるエンディング。そりゃあ反感を買っても仕方がないストーリーです。
とは言え、序盤から中盤にかけては文句なしに面白い。特に『子供と父の絆』のスタートから、『少年が視力を失ってデアデビルになるまで』のエピソードなんか、ほとんど満点と言ってもいいくらいの出来栄え。更には無罪放免になった悪党を成敗するヒーローものならではの勧善懲悪アクション。これは期待が高まるというものです。
そしていよいよブルズアイ、キングピンという真打登場。ところがこの辺りからバトルも物語も減速。一番の見せ場になるはずであろう対決が、一番つまんないってのは、この手のヒーローアクションものでは致命的ではなかろうか。
映画の出来としては全然悪く無いのに、ラストが全然スカッとしないだけで、こんなに満足感を感じられないとは。
キングピンを前にして、なんかよーわからん『ヒーローの美学』みたいなもんを持ち出して、愛する人を奪った諸悪の根源に情けをかける、なんともパンチの弱い結末。後味が悪い映画って好きじゃありませんが、中途半端な結末の映画ってもっとタチが悪いかもしれません。
序盤から中盤くらいまでの、圧倒的なダークヒーローで最後までいってほしかったですね。