1.《ネタバレ》 ルネ・クレール監督と言えば『巴里祭』や『巴里の屋根の下』をイメージする私としては、本作も妙にハッピーな雰囲気のお祭り騒ぎ的な作品なのでは?と想像していた。
ところが良い意味で予想を裏切った。
本作は社会を風刺しながら、楽しさも健在で、それでいて友情に重きを置いた人間ドラマでもあった。
ルネ・クレールがこんな作品を撮っていたとは知らず、ずっと軽い監督のイメージを持っていた私としては、新たな発見をした作品にもなった。
チャップリンが『モダン・タイムス』を撮る際に参考にしたと言われるだけあって、どこかそのドタバタぶりが、チャップリン映画に通ずるところがあった。
序盤の脱獄から、最後に二人で去っていくシーンまで、見事なまでの仕上がり具合。
ルネ・クレールの最高傑作。