4.《ネタバレ》 私が少年の頃ゲーリックの名前を知ったのは、戦前の日米野球で大リーグの強打者たちを手玉にとった沢村栄治から、唯一のホームランを打った打者としてである。そして彼の名前を再び目にしたのは、日本の鉄人衣笠祥雄がゲーリックの2130試合連続出場という大記録を破ったときだった。
ホームラン記録を持つベーブ・ルース(映画にも本人が登場)とともに、ヤンキースの3番と4番を組み最強の打線と恐れられたのだが、映画のゲーリックは人間味あふれ様々なエピソードを持つ。少年とのホームランの約束やエレノアへの結婚申し込み、パトカー誘導での球場乗り込みなど、野球にそれほど関心がない人にも目を見張るものがあると思う。
そしてゲーリックの引退試合、彼は不治の病にかかっており、38歳になる数日前に亡くなった。まさに波乱の人生であり、米国民から大変愛された人であった。
ところでゲーリックは左打者なのに、演じているゲイリー・クーパーは右利き、映画での撮影は何と・・・というエピソードがあるそうな。