1.《ネタバレ》 とにかくウサギが見えなければ純粋じゃあないとまで努力しましたが、
誰もが見えないウサギを主人公と酒場の連中(たぶん見えてる奴が何人かいるはずだ)
に見えてるってのはこいつはアル中の幻覚症状で、
それも母親が死んでからこうなったとかいうと、
おかしいよりもなんかかわいそうな人だと観ていました。
しかし物語が進むにつれてこの主人公は当たり前に純粋なのかもと思い、
また努力をしてみます。
中半にはなんとウサギと2ショットの油絵まで登場。
いったい誰がそんな絵を描いたのか??
帽子にウサギの耳のふたつの穴が開いているのも不気味でかわいい。
後半には主人公以外の人にも見えるんです。
ドアが音もなく開いたりブランコが揺れたりするのですが、
もうこれはウサギだからよかったものの最後まで見えないのですから怖いです。
最初は白黒か~と思っていましたが白黒だから怖いです。
もうひとりのハーヴェイ理解者はその不思議な力を知ると、
ハーヴェイを置いていってほしいと主人公に頼みます。
見えるまでは純粋だったのかもしれませんが・・
アメリカの良心の人の役をやらせたらJ・スチュワートは似合うんですが、
J・スチュワートのほんわかした演技はまるで地のようで、
悟りを開いた子供のようです。
外見やしぐさ(かなり礼儀正しい)は紳士ですが、
目が中を歩いている子供なのでリアルな不気味さがあるのです。
、
この主人公はもしかしたらこの世に嫌気がさして世捨て人のように
純真な老人のようになってしまったのかもしれません。
なにをされても言われても怒らないけど見ててイライラすることもない、
後半のセリフで亡き母が語ったと言われる言葉がいいですね。
賢く生きるか楽しく生きるか・・僕は賢く生きてきて楽しく生きるほうを選んだっての。
楽しく生きれなければハーヴェイは見えないのかもしれませんね。
そういう意味では演出はちょっと不気味ですが、
悲しいひとに見えるモノより楽しい人に見えるハーヴィは癒し系なんでしょうか。
助演女優賞のジョセフィン・ハル(お姉さんの設定)が後半、
弟を普通の人に戻すことに反対するあたりにテーマがあるかもしれません。