1.《ネタバレ》 とにかくいつものように人々が喋りあう。対立してはいるんだが非難には至らず、グツグツ煮込んでいるような楽しさに転じていくところが、この監督の人柄か、けっきょく庭を開放してのルノワール的パーティーでのミュージカルになってしまう。こうくるとは思わなかった。ドキュメンタリー的なインタビューシーンの対極のよう。それぞれが自分の主張を歌い、何も本当の解決にはなっていないんだけど、人の世の楽しさを遠望するような位置に監督は退いていく。これ少しズルいなあって気もしたが、少女によって導かれた夢として見るべきなんだろう。ぜんぜんカドがない世界。登場人物のすべての出会いが実になごやかなんだ。市長と教師の娘との出会いに至るまで。どこでも市長ってものは文化施設を造りたがるのか。もっとも建設業界からのリベートのために建ててるんではないらしいところは違う。