3.《ネタバレ》 全体的にちょっと進行が慌ただしいのですが、最後まで緊張感が維持されており、集中して見られました。ラストのたたみかけるような容赦のなさには、見終わってからも茫然としてしまいました。ジュリエット・ルイスの安定した演技も見事です。ところで、私はこの作品のテーマは「裁判に出てくるような(=人目に触れるような)ことは人の人生の氷山の一角にすぎず、そのようなことで人の人生は評価できない」ということと理解して納得していたので、最後の字幕はわけがわかりませんでした。ちなみに、十代への死刑適用を肯定しようが否定しようが、あるいは、そもそも被告人が何歳であろうが、日本ではこの事案で死刑判決になることはありません。つまり、最後の評決に違和感を感じるのは、被告人が十代だからではなく、もともと酌量の余地が大いにある事案だからです(事件へのパニック反応とスケープゴート心理が作用した悪い例)。それを考えると、最後の字幕はどうも論点がずれているような気がします。それにしても、殺人事件の審理なのに、作中の進行を見る限り最終弁論当日に評決、上訴も不可で確定ってシステムも凄い。