1.《ネタバレ》 もともと自然主義のゾラの作品が大好きで、「居酒屋」「ナナ」「ジェルミナル」は特にお気に入り。しかし、文学作品の映画化はガッカリさせられる結果になることが多いので、あまり期待せずに鑑賞した。私は歴史的背景には詳しくないので、どうしても小説との比較になるが、貧しい民衆の苦しい生活ぶりや、炭鉱の町の雰囲気がとてもよく描かれていたと思う。ジェラール・ドパルデューとミウ・ミウの好演が光っていた。しかし、主人公のエチエンヌを含み、肝心のカトリーヌ、シャヴァルがあまり魅力的でなかったのはとても残念。また、炭鉱で3人が残され、救出されるまでの時間が、映画ではあまりにもあっさりと描かれていたのが大変不満だった。確かに、映画では表しにくいシーンではあるとは思うが・・・(本作をより理解したい方には、やはり本の方をお勧めします。もっと欲張れば、「居酒屋」からぜひご覧ください。)なかなか良くできた作品とは思うが、原作を伝え切れていない点を差し引いて7点。