1.《ネタバレ》 これは舞台劇の映画化なのでしょうか? 主な舞台は室内、長回しでリアルタイムに芝居を見せる手法が、舞台を彷彿とさせます。個人的には好みに合っています。
信心のない人間としては、真の信仰というのは“あっち側”の人間にならないと得られないのか、などと思ってしまいました。気の触れたヨハネスが、それを象徴しているような。劇中「何が正常で何が異常なのかわからない」という台詞もありましたが、こちらでは異常と思われることが、信仰の世界では正常となるのかもしれません。
あと印象深かったのは、聖書にあるキリストの奇跡は信じるのに、目の前の奇跡は信じないというアイロニー。科学万能の考え方に対するアンチ・テーゼともとれます。いろいろと奥深い作品のようですが、それを味わえたかどうかはともかく、飽きずに見ることはできました。