5.《ネタバレ》 小さい頃から自分だけを見てくれる『スージー』
でも生きている人間のお友達が欲しい。
『勇気を出して、仲良くなれそうなアダム。』
『なぜか向こうから好意を寄せてくれるポリー。』
私にも友達ができるかも。
あれ、なぜ私だけを見てくれないの。私の何が気に入らないの。
やっぱり私だけを見てくれるのは、あなただけよ、『スージー』。
あなただけが本当の親友だと、やっと気付いたわ。
ああ、唯一の親友『スージー』がばらばらになっちゃった。
思い出す母の一言。
『友達ができないなら、創っちゃいなさい。』
アダムの手。ポリーの首。アンブロシアの脚。最高のお友達を創るわ。
簡単にまとめるとこんなお話。
サイコ野郎のサイコ野郎によるサイコ野郎のための物語。
MAY主観でストーリーを構成しているため、観る者はMAYへの共感を多少は覚えるかもしれません。
ですが主観が変わればこれはやはりただのサスペンスホラーであります。
アダムもポリーもメイに対して優しい人間。それに対し、自分の事しか考えていないメイ。
もちろん、彼女には間違いなく発達障害があったのでしょう。だからと言って、理不尽に人の命を奪って良い理由にはならない。
彼女に同情の余地はなく、こんな人間が精神鑑定を理由に罪が軽くなったりしたらたまりません。
不快感と後味の悪さしか残らない作品です。
とは言え、映画としては面白い。
『私を見て』という一つのテーマがぶれることはありません。破滅へのストーリーが、ガラスケースがひび割れる音とともに刻まれていくストーリーテリングは不穏で最高。
衝撃のラストは文句なし。
ただ手が動いちゃうのは、余計ですけどね。