1.劇中のどれとどれとどれが合わせて「三番勝負」なのか、よくわからん、というか、まあそれはどうでもいいのですが、例によって例のごとく橋蔵スマイルがまぶしい本作。
剣術指南役をめぐる争いから、師匠が闇討ちにあうんですが、橋蔵演じる主水之介は破門の身。次の師範代に指名された里見浩太朗のとりなしもあって、橋蔵は破門を解かれるものの、里見浩太朗もまた敵の凶刃に倒れ、右腕を失ってしまう。という訳で、橋蔵と里見浩太朗のキラキラ感あふれる友情エピソードとか、ライバル・天知茂のシブさと焦燥感の二面性、はたまた近衛十四郎サマの浮世離れしまくった剣豪ぶり、もう見どころ満点です。こんな言い方をしても信じてもらえないかもしれませんが(笑)。
回想シーンが妙に前衛的な演出だったりして、時代劇が妙なエリアへとハマりかけている雰囲気も味わうことができますが、まあ主人公がスマイル橋蔵なので大きく逸脱することはありません。このヒト、煩悩の塊みたいな感じで、とても剣豪には見えないけど。
その一方で、天知茂の存在を食ってしまう(ストーリー上の都合、という部分もありますが)のが十四郎サマ。このヒトはどうしていつも、「さっき、ひとっ風呂浴びてきました」みたいなサッパリした表情をしているのでしょうか。
ラストは橋蔵vs十四郎の一騎打ち。このシーン、ちょっとマカロニウェスタン風味が入ってますけれど、こちらも65年の映画ですから、実は時代をホンの少し、先取りしていたのかも。