1.フランスのファッション・カメラマン、サラ・ムーンの幻想的な映像詩。モノクロをセピアにカラーリングした独特のテクスチャーは、ヴィヴァルディの響きとともに影のように深い印象を残す。母親の元から娘を連れ出す心を病んだ男。アレクサンドラは髪を切られ反抗しながら、やがて父親とも知らず心を寄せていく。男の飲む薬も病を癒すことはできないが、娘との日々が彼の壊れやすい心を支える。回転木馬、桟橋、石畳の舗道。男が運転する車は見知らぬ町を往く。少女が首から下げた映写機が男に寄り添う小さな彼女自身のように揺れる。眠るアレックス、笑うアレックス。多くを語らぬ男と聞きたがりの少女の旅は続く、ある日突然終局を迎える日まで。「踊りましょ」Viens danser avec moi・・・