1.《ネタバレ》 17世紀末、ジョナサン・ウーリーの告発で魔女のジェニファーと父ダニエルは火あぶりとなり、その灰が木の根元に埋められる。復讐のため結婚が失敗する魔法をかけられたウーリー家では、何代にもわたりヒステリーな女と結婚する羽目になります。前半は、コメディータッチでテンポもよく観ていて楽しかった。親子揃って煙の姿でモコモコと漂います。ラム酒の中に隠れたりしてウーリーを観察する様子が、コミカルでとても面白い。人間の姿を手に入れた後のジェニファーが可愛い。ウーリーにつきまとい小悪魔的なキャラを演じる姿や、階段の手すりを滑り降りるシーンはキュンとしてしまう。惚れ薬をジェニファーが飲んでしまい、ウーリーに恋心を寄せるようになってからは空気が一変します。陽気なキャラだったダニエルは、怒り狂って娘のジェニファーをも再び木の根元に封印しようとします。運転手に扮したダニエルの顔が、稲光に照らされ浮かび上がるシーンは完全にホラー。ものすごく怖かった。最後は、ダニエルをラム酒に閉じ込めて二人は結婚します。魔女を真似る子供、ラム酒の中から不敵に笑い家族を見つめるダニエル。このままハッピーエンドという感じはなく、不穏な未来を予兆するかのようだ。同じ映画の中で、これだけ空気を変えてしまうルネ・クレール監督の手腕はさすが。