5.テレビシリーズは未見なのですが、この映画版は刑事アクションのひとつの究極形とも言える仕上がりとなっています。フェラーリを乗り回し、「ちょっと飲みに行く」と言って自前の高速艇でキューバのバーまで行き、プロのパイロット以上の腕前で飛行機を操縦するというありえない刑事達が、海外にまで出張して大活躍という無茶苦茶な話なのですが、これを徹底的にカッコよく、バカっぽくなく作ってみせています。「バッド・ボーイズ」や「リーサル・ウェポン」の下地を持ちながら、これを「ヒート」や「コラテラル」のような印象の作品に変えてしまっており、荒唐無稽な刑事アクションを極限まで煮詰めた結果が本作だと言えます。プロの男達を描かせればいつもながらのマイケル・マン節全開で、少ない言葉で状況を理解し、グダグダ悩まず即座に物事を決断するカッコいい男達で溢れています。主演のコリン・ファレル、ジェイミー・フォックスはもちろんのこと(コリンはやたら太っている場面がいくつかあったのが気になりましたが)、敵キャラも状況判断に優れていて、生きるか死ぬかの世界で勝ち抜いてきた男達にきちんと見えています。さらには、コリンとジェイミーの上司にあたる小林亜星みたいな太ったおっさんまでがカッコいいのですから、相変わらずマイケル・マンはプロの男を描かせると最高の仕事をします。銃火器へのこだわり、銃撃シーンでのリアリティの追求も相変わらずで、麻薬取引の現場では後方にスナイパーを待機させておき、いざ撃ち合いになった場合には圧倒的優位をとるという犯罪組織側の戦略はなかなか合理的。さらに、スナイパーがバカでかい口径の銃を撃ち込むと、弾が当たった人間はバラバラに砕け散るという現実的な描写もあり、過去の作品以上に銃の描写にはこだわりが見られます。おまけに俳優達は全員銃の構え方が様になっていて、わかってる監督が撮るとアクションはここまで引き締まるものかと感心します。脚本の練り込み方も良く、テレビシリーズと同様の構成にするためかアクションをラストの銃撃戦のみに絞っていて映画としては見せ場に欠けるのですが、見せ場を分散させなかったおかげで物語がラストの銃撃戦に向けて一直線に進んでおり、チームメンバーが誘拐されたところから一気に話のテンションが上がっていく辺りの高揚感はなかなかのものでした。ラストに至る物語もよく作り込んであって退屈させません。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-03-12 20:37:12) |
4.たとえば「ヒート」はデニーロの作品で「インサイダー」はアル・パチーノの作品だけど、「マイアミ・バイス」はマイケル・マンの作品だと思う。 【michell】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-12 16:47:43) |
3.《ネタバレ》 コリン・ファレルとコン・リーのラブシーンは熱い!特に車のシーン。 |
2.さすがマイケル・マンですね。全編最近の警察映画にないリアルを感じ面白かったです。渋さの中にも哀愁が漂ってました。まずオープニングでいきなりの主題歌はもちろんの事FBIだとばれてしまいしかも車に乗ってからの車ごと蜂の巣の銃撃シーンはCMの通りヤバイスですね。あそこは凄まじいくらいリアル過ぎて驚いてしまいました。もうそこから魅入ってしまった。でも脚本がしっかりと練ってないせいかドラマ部分やコン・リーとの恋愛模様が安すぎる気もする。でも映像が良かったのでまぁどうでもいいんですけど。HDカメラを使って撮ったので全編綺麗で良い感じ。HDカメラで撮ると色々細工できるのであんな映像になったのかな。雷のシーンは音と共にいい映像でした。ラストの銃撃のシーンも銃の音が痺れるほどカッコ良すぎて銃声マニアとしては感動。制作費が2億ドル以上かかったのはハリケーンでセットがぶっ壊れたからです。マイケル・マンが悪いわけではない!!DVD発売の時はカットされたシーンが入るという事なのでDVD買う事にします。 |
1.おもしろかった。今回はソニーとイザベラのラブストーリーに重点が置かれていたので、いつものように熱く闘う男たちを描いてくれることに期待していた身としては少し物足りなかったところもありました。一番期待していた銃撃戦は「ヒート」には及ばなかったですが、銃声音は相変わらず凄いものがありリアルな感じが出ていたと思います。映像は「コラテラル」の雰囲気をそのまま引き継いでおり高解像度カメラを駆使した夜景は美しく毎度のことながら夜の大都会の空撮はニヤリとさせられました。飛行機とボートが疾走するシーンはダイナミックで雷を所々に入れたりする演出や映像という点では、これぞマン作品と思わせる部分がいくつもありました。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-09-02 14:59:56) |