2.《ネタバレ》 東映「次郎長三国志」シリーズ第2作。今回は前作ラストで登場した森の石松(長門裕之)と追分三五郎(大村文武)の珍道中が中心の、東宝版で言えば第3作にあたる内容がほとんどそのまま再現されている。森の石松といえば東宝版で演じた森繁久彌がなんといってもハマリ役で、中でも東宝版第3作の小泉博演じる三五郎とのコンビぶりが絶妙で、かなり印象に残っている。その分、本作は分が悪いかと見る前は思っていたのだが、確かに長門裕之の石松は森繁久彌の石松に比べると物足りなさがあるものの、思ったよりは悪くなく、三五郎とのコンビぶりや、この二人とお仲さん(丘さとみ)とのやりとりも東宝版同様に楽しく、このあたりにマキノ雅弘監督のうまさも感じることができるし、シリーズとしてもこのあたりから本格的に面白くなっていく予感。東宝版でも印象に残った石松にお仲さんが酔った勢いで一緒に旅に出る約束をする一連のくだりはこの東映版でもやはり笑えて印象に残る。お仲さんを演じる丘さとみはかなり久しぶりに見るのだが、久慈あさみが東宝版で演じたお仲さんが大人の女という雰囲気だったのに対して、丘さとみのお仲さんはその可愛さが印象的で、久慈あさみとはまた違う魅力が感じられるのが良い。前作からの続きから始まる映画だが、前作よりも今回のほうが楽しめた。そうそう、松方弘樹と近衛十四郎が親子共演しているが、それもみどころの一つだろう。