1.時代背景といえる日教組問題や当時のアカ・共産党に対する予備知識がないと、面白くないかも。やもすれば単なるプロバガンダ作品と、取れなくもない。が、しかし、教師は労働者か?聖職者か?と煩悶する主人公・ふみ子のジレンマ、いわゆる「戦後」の教育問題に翻弄される中年教師・沢田の懊悩、政治にとって都合よく利用されて磨り減るだけでは駄目だと団結する教師たちのアツさが、見事に表現されている。山川薩夫作品の雄弁さには、今回も驚かされた。
そして、香川京子・宇野重吉の演技の素晴らしさもサルコトながら、子役達の演技の絶妙さに、何より驚かされた。