1.僕のおばあちゃんも目が見えなくて、おばあちゃんと一緒に外に出掛けると廻りの人たちがとても親切にしてくれました。
違う世界に迷い込んだのかと思うほど、本当に親切にしてもらえたので、僕はおばあちゃんと出掛けるのが好きだった。
おばあちゃんはゆっくりとしか歩けなかったので、信号が変わるまでに横断歩道を渡り切れないこともあったけど、一度だってクラクションで追い立てられることはなかった。
おばあちゃんと僕が渡り終えるまで、その場で停止して待っていてくれる。
日本という国には、そういう優しい一面もあるんだということを僕は知っています。
この作品に出てくるような障害者に対する酷い仕打ちが現実の話じゃないことを祈りたい。
作品自体の出来としては、息を潜めて隠れ続けるという部分に違和感を感じた。
目の不自由な人はびっくりするくらいに聴覚が発達しているので、たぶんあんなふうに隠れ続けることは無理だと思う。
あと、話をしている人の方を見ないとか、オルゴールに視線を合わせないというのも可笑しな演出で、音に対する敏感さが欠如しているように感じた。
それでも、物語終盤の展開には感心するしかなくて、フィクションとしてみるなら本当によく出来たシナリオだと思います。
流石にもう1人の目撃者には気が付かなくて、やられたなぁって感じでした。
あと、劇中に登場する喋る時計は僕もプレゼントしたことがあって、嬉しそうに何度もあの無機質な音声を聞いていたおばあちゃんの姿を思い出して、ちょっと泣きそうになりました。