10.『ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッター』の大ヒットに触発され、ファンタジー映画が乱発されていた時期に製作された一本。大したヒットにならず終わったので今の今まで鑑賞してこなかったのですが、これが見てビックリ。結構な完成度だったので驚かされました。『ロード・オブ・ザ・リング』のような重厚長大な大作ではないためジャンルの代表作にはなりえないものの、中規模作品としては、実に理想的なレベルでまとめられています。。。 ファンタジー小説では、読者は世界観を一から理解する必要があるし、登場人物の数も多くなりがちです。読み返しの利く書籍ならともかく、観客の側が能動的に情報量をコントロールできない映画という媒体においては、そのような雑多な要素をどうまとめあげるのかが大きな問題となります。『ロード・オブ・ザ・リング』のように、当初より3部作構成で製作されることが決定しており、シリーズを合計すればタップリとした上映時間を稼げる作品であれば、そうした問題への対処も容易にはなるのですが、大半の映画はそれほど恵まれた環境では製作されません。まず1本撮り、ヒットすれば続編を製作。第1作については、単品で成立する程度に話をまとめておく必要があります。そして、多くのファンタジー映画はここで躓きます。物語をコンパクトにまとめるという過程において、原作が持っていた魅力的な要素を多く切り捨ててしまい、焦点の定まらない凡作が出来上がってしまうのです。。。 本作についても、3つのパーティが同時に動き、さらには冒険に絡んでくるサブキャラの数も多く、かつ、舞台の移動も盛んであり、一本の映画の枠に収めるにはなかなか厄介な素材だったと言えます。しかし、マシュー・ヴォーンはこの複雑な物語を、奇跡的な手腕でまとめてみせています。各キャラクターの背景や行動原理を的確に伝えており、また、端正なビジュアルによって世界観の特徴も表現できており、観客に情報を与えるという作業を非常にスムーズにこなしているのです。特に感心したのは、感動の高ぶりとともにイヴェインが光を発するという処理であり、この設定を挟むことで、ドラマが非常にわかりやすくなっています。また、この原作には性や暴力が少なからず含まれているのですが、ヴォーンはそうした毒を描くという点でも躊躇しておらず、その結果、血の通った真っ当な物語として仕上がっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-11-18 00:46:39) (良:2票) |
9.想像とはまったく違うイメージ。ファンタジーと冒険、大物俳優たちがいい味を出している。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-07 19:11:33) |
8.《ネタバレ》 高飛車な女ビクトリアに翻弄され振り回される主人公、心がときめくと輝きを放つ流れ星の美女は短気で怒りやすい、王位を争う7人兄弟は王位を継承者が決まるまであの世に行くことも許されず亡霊姿まま、稲妻を捕らえ売買する空飛ぶ海賊船のキャプテンは実は殺しもしたことがない女装好きの心優しい男・・・全ての登場人物が少し抜けていて憎めないキャラ(笑)でも全体的にバランスがとれた良作だと思います。心の底から楽しめたSF作品でした。 【MINI1000】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2009-10-27 22:28:00) |
7.むちゃくちゃ面白かったです。ちゃんと冒険をしてるし、魔女は魔法をバンバン使っているし、空賊たちの生活は活気に満ちあふれているし、すべてがほほえましい。なによりもB級路線を貫いたことを評価したいです。同じファンタジーのロード・オブ・ザ・リングはもちろん雲の上の存在ですが、あれは重苦しい戦いばかりが続きますし、人間ドラマも濃いので肩が凝ってしまう。 ようするに真面目すぎるのです。しかし本来ファンタジー映画というのは、もっと肩の力を抜いた適当さがあっても良いのでは??わざわざ人間描写を重厚にする必要もありません。ファンタジーとは何でしょうか? それは世界観です。現実では味わえない世界にどっぷりひたって、いやな現実や、しがらみだらけの人間関係を忘れさせてくれることです。そういう点では「スターダスト」は、まさしくファンタジーの本質を貫いたと思ってます。すごく単純で、すごくさわやかで、すごく笑えるし、非常に世界観がしっかりしているのです!なによりも子供さんが大喜びする映画でしょう!またロバート・デニーロの恐怖のキャプテン。久しぶりに大笑いしました。これはあえて言いませんが観てのお楽しみです。そしてクレアデーンズは人間の姿をした流れ星さんですね。この子が踊りを楽しんでいるときや、または好きな男性から抱きしめらたときは、体がぱあぁと輝きます。うれしいと体から光を放つ。これ・・最高です。流れ星は常に落ちる運命ですが、今回は恋に落ちちゃった、ということでしょうか。ミシェルファイファーの魔女役もはまり役です。この方の悪女ぶりはすっかり板についてきました。いつも心の底から悪役を楽しんでいらっしゃる。ついでに王位継承をもくろむ悪い王子たち。彼らは殺されたあとに、幽霊ギャラリーになる。本当のワルは誰もいないから、安心して観られます。それと壁の番人のじいちゃん、あんたも面白すぎる! 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-01 20:56:07) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 あまりヒットしなかったのが勿体ないくらいに、豪華なキャストだし音楽も素晴らしいし、映像もきれいだしセリフも良い。たしかにストーリーは先が読めちゃって大した見せ場のようなシーンもないんだけど、2時間の映画ならこれくらい分かりやすい設定・展開でちょうど良いと思う。余計なことを考えなくて済むから観てるほうとしてはその世界観に違和感なく入り込むことができる。そして役者たちの演技もストレートに伝わってくる(デ・ニーロは相変わらず素晴らしいですね)。最近乱発されてるファンタジーとは一線を画す作品ではないだろうか。 【Nerruc】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-12-02 00:08:34) |
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5.劇場は席を間違えた事に最後まで気付かなかったくらいガラガラだったけど、思ってたよりずっと面白かったです。映像、音楽も良かったし、何人かの方が言う通り最後まで安心して観られました。こういっちゃなんだけど、話が単純で世界の存亡とかが絡んでないファンタジーはけっこう新鮮でした。 あと、ロバート・デ・ニーロ、実はこれが初見…。 【深々】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-27 11:01:22) |
4.《ネタバレ》 正統派ファンタジー。予想外の展開も少ないし、どんでん返しもない。それだけに安心して観る事が出来る。それでも要所要所で見応えのあるシーンが散りばめられていて、観ていて飽きない。いかにも冴えない主人公の若者が物語の最後には一人前の男へと成長する、という展開も絵に描いたように上手く表現されている(男から観ても彼はかっこよくなった)。もう少しヒネリが欲しいなってシーンもあったけど、エンディングで流れる挿入歌もとても良く、観た後とても心地いい。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-18 14:39:39) (良:1票) |
3.わずか128分という枠内でここまで上手にまとめたことに驚きました。近年のファンタジー映画は無駄に長いのが多かったですけど短い枠の中であっても完成度の高い作品は作れるんですね。その点、物語はシンプルで壮大なスケール感はありませんが主人公の成長過程が丁寧に描かれていたりユニークなキャラクターたちのおかげで十分に楽しませてくれました。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-04 21:48:45) |
2.《ネタバレ》 ロード・オブ・ザ・リングをはじめ最近のファンタジー映画は、ある世界の存亡をかけたような作品ばかりでしたが、この作品ではそんな大仰なテーマはなく、登場人物の行動は、ガールハント、家督相続、若さ獲得といった全くの個人的なちまちました動機からのものばかり。が、そのおかげで無理のないストーリー展開ができたうえに、実に丁寧に伏線を張ってあるし、敵役の魔女が魔法を使う度に若さを失っていくという設定のおかげで主人公に過度な試練がかかることもなく(敵役自体憎めないし)、全体としてとても判りやすくかつ楽しめるお話になってます。また、基本的に登場人物が自分自身のために行動しているので、コメディ仕立てにもなじみやすく、結果、ちょっとブラックなファンタジー・コメディとして仕上がってます。 登場人物の行動がちまちました動機によるもののおかげで壮大な戦いのシーンなどあろうはずもなく、映像的にもわりとこぢんまりとしたものばかりになってますが、そのぶんいろいろなシーンが丁寧に描けているので、見ていて疲れることもなく飽きることもなく見ることができ、ナレーションで語られるエンディングがうまい具合に物語り全体を締めているので、一話完結の物語としての完成度は高いです。 壮大な物語を求める人には向かないかもしれませんが、よくできたコメディーの好きな人、気楽なファンタジーを観たい人にはお薦めの作品です。 【はやぶさ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-03 23:17:20) (良:2票) |
1.《ネタバレ》 空を飛ぶ海賊船と海賊達(空賊?)、流れ星を待っていた魔女達、王位継承を狙う王子とそれに破れた亡者などキャラが立ってて、とても楽しかった。ロケ地もとても美しい自然のある場所でCGとセットも巧く、衣装や美術も良く出来ていて、ファンタジーしててワクワク感がありましたね。ちょっとブラック風味ながら、ニヤニヤしてしまうジョークも多数で冴え渡ってました。かつて主人公の親父に突破された老人が、同じ手で通ろうとした息子を卓越した棒術と体術で組み倒したのも笑ったな。脚本も上手くまとめてそつなく出来てると思います。デ・ニーロは今までの名演の前フリがある分、今回のアレは最高です(笑)。 「宮崎アニメの実写版を見てるようだ」なんてセンスの無いキャッチコピーは不要。アンチが増えるだけだよ配給会社さん。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-01 23:10:15) (良:2票) |