2.《ネタバレ》 ただのパニック映画かと鑑賞を始めたところ、全然違っていて驚き。
内容が重すぎる為、見ていて辛くなるシーンが多かった。
「es」よりも「ミスト」に似ていると思う。
あちらは極限状態におかれた人間達が、モラルを保てる側と
宗教に翻弄される側に分かれた。
この作品は理性を保てる側と本能のみに走る側に分かれてしまう。
宗教に対する考えが希薄な日本人には、パニックに陥った時に
とる行動としてこちらの作品の方が、リアリティを感じるだろうと思う。
集団レイプのシーンはあまりにもおぞましく、吐き気がした。
これも男の本能か、と考えると恐ろしさで涙が出そうになる。
ここまで酷い描写だと、観た女性はまさにトラウマになるので、
もう少しぼやかした映像でも良かったのではないか。
それと第3病棟にはヒスパニック系男性が多く、
ヒスパニック=悪人のようなイメージが定着しているのは
ある意味恐ろしい。
日本人夫婦の会話には「日本人らしさ」が表れていたと思う。
ことなかれ主義を通そうとする小心者島国民族そのままの夫と、
世界で通じる価値観を持った妻。
棒読みレベルのセリフからでも「日本人夫の情けなさ」は十分
伝わってきた。(木村佳乃は良かったが、伊勢谷の演技力のなさは本来致命的)
人間がどこまで人間らしさを貫けるかを問うたこの作品、
よく出来た映画だと思う。
でもレイプシーンが酷すぎるので、もう二度と観ることは出来ない。
それとジュリアンの顔や体のシミの多さには心底驚き。
女優なんだからどんな内容の作品であれ、幾ら何でももう少しメイクで隠すべきだったのでは。