1.《ネタバレ》 天才児=株を運用しボロ儲け、ってのは、ちょっとありがち過ぎで白ける。でも、その他の部分はとても丁寧に描かれた逸品。まあ、凡才には天才の悩みなど分からないが、でも、この映画を見ると分かった気になる。ブルーノ・ガンツの爺ちゃんがとにかくステキ。あんな爺ちゃんのいる子どもは幸せだ。母親の気持ちもよく分かる。なんたって天才児。そりゃ、凡才の親ならああなりますって。爺ちゃんは天才じゃなかったかも知れないが、非凡な人だったのは間違いない。あの孫に対する姿勢にはただただ頭の下がる思い。そして、キョーレツなのが、ラストのコンサートシーン。もう、あの数分のシーンでこの映画は百倍説得力を持ったと思う。ある意味ズルい気もするが、そんな不満も吹っ飛ぶ圧巻の演奏。何だ、あの巧すぎるシューマンは! 色々なピアニストのシューマンのPコンを聴いたが、ポリーニの次くらいに巧いぞ! しかも、あの小さな手。ただただ唖然。涙する両親を見る前に、涙が出てきてしまった。ライブ以外の演奏で泣くのは、クライバーのブラームス2番を聴いた時だけだったのに。・・・ホンモノの天才を見られる希少映画。