1.《ネタバレ》 キャスティングが良かった。小出恵介と香里奈が役柄もあるが強烈な存在感を放っていて、二人の演技で全体がより引き締まった感がある。突然現れて波紋を起こす謎の少年サトル役、林遣都の雰囲気や容姿もハマっていて金髪にしたことで更に謎めいた印象が増している。
見知らぬ男女が都会の片隅で部屋をシェアして共同生活を送るというまだ日本では馴染み薄い設定に加え、確固とした将来設計があるでもなし時間は無限にあると信じ、ただその時を刹那的に生きる若者特有の気だるさとある種退廃的な空間を隠し取りをしているかのように魅せる。
メインの登場人物の4人がどのくらいの期間共に生活をしているのか分かりずらかったが、劇中のセリフ「うわべだけの付き合い」かと言えばそうとも言い切れない。見知らぬ他人同士が寝食を共にするためには、多少なりとも仮面を被らなければ上手くはやっていけない。表面上だけにしろ気のおけない関係性は築かれていると思った。
そう考えれば、現代の複雑で屈折した社会においてこの若者達の繋がり方はこれで正解なのかもと思わせるその「無関心さ」こそが真の恐怖なのだろうか・・・