2.《ネタバレ》 これぞまさしく元祖・傭兵映画と呼べるんじゃないでしょうか。監督は名カメラマンでもあるジャック・カーディフ、この人がメガホンをとった映画は少ないけれどどれも一癖も二癖もある異色作ばかり、監督としてもいい腕しています。『戦争プロフェッショナル』とはこれまた凄い邦題ですけど、原題も訳すと『傭兵たち』なんだから傭兵=戦争のプロということであながち間違ってはいません。 お話し自体はコンゴの大統領に命じられて反乱勢力包囲下を突破してダイヤモンドを回収に行くという割と単純な展開。でも傭兵側の登場キャラが濃いというか癖が強いのばっかなんで面白いです。ロッド・テイラーと組む原住民出身の軍曹役ジム・ブラウンがいい味を出していて、二人の絡みがいわくありげだけど深みがないテイラーのキャラが持つ弱点を薄めてくれてます。子供でも容赦なく殺す元ナチ将校はいかにもな悪役ぶりだし、ほとんどアル中の軍医ケネス・モアも殺されると判っていても逃げない最期はある意味カッコいい。ダイヤが入っている金庫にタイムロックがかかっていて開くまで脱出できないというサスペンスも、捻りがあって良かったです。後味の苦いラストも含めて、こういう下手にヒューマニズムに逃げずに紛争を情け容赦なく描く映画は、ハリウッドでは到底撮れないと思いました。