46.前半だけ見てたら5点か6点くらいの映画だと思っていたが、後半はずいぶん良かったし感動した。ただの青春映画ではなく、戦争という時代背景があり、歴史に翻弄された女性の物語でもあるわけだ。少年がマレーナに話をしたのは最後だけで後は全部空想だったのだろうと思う。心に残るラストだった。ところで少年が探し求めた曲、"Ma l'amore no"という曲らしいが、歌っているのは誰だろう。映画ではアリダ・ヴァリだと言ったがどうも違うような気がする。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-05 13:07:48) |
45.《ネタバレ》 少年の妄想と成長のバランスが秀逸。リンチ後、市場での再会の挨拶は、それでも受け入れてくれた夫への感謝の上にあるマレーナの生への決意だが、あの主婦からはそれが見えていないというアンバランスさと滑稽さ。濃縮した社会を通じて「人間」のあり方を考えさせる良作 【楊秀清】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-23 18:44:16) |
44.《ネタバレ》 勝手に「青い体験」的な映画と思っていた自分は大馬鹿野郎でした。いや、途中まではそんな流れだった。主人公のマレーナに対する憧れの根底にあったのは純情ではなく劣情で、マレーナの周囲で彼女を揶揄する男どもと本質は変わらなかった。しかし、戦争が始まると様相が一変する。ストーキングするほどマレーナに執着していた主人公は、奇しくも未亡人となった彼女の苦悩をストーキングすることになった。肉体への憧れが、心情の共感へと変化する。性欲の対象でしかなかったマレーナの心の内側を覗くことで、周囲の大人たちの醜い部分を客観視する視点が生まれる。それも大人への階段だった。彼があと数歳年長であれば、ストーリーは違った展開を見せたかもしれない。でもマレーナの味方だったかどうかも怪しくなる。彼は見ていることしか出来なかったが、だからこそあの年代の少年の成長を切り取った作品だと感じられました。コメディチックに進んでいた序盤が違う映画と感じられるくらいに、集団リンチの描写は容赦なく凄まじい。社会を律していたコードが変わる瞬間、普段は隠れている人のネガティブな感情が露わになる。監督は意図して人の醜い部分ばかりを抽出しているように思えます。でも不思議と後味の悪さが無かった。主人公の成長が救いになっていることもありますが、醜い部分も含めて人を描いているスタンスに潔さを感じたからでしょう。ちなみに、二次大戦中のイタリアを描いた作品って観た記憶がなかったけど、敗戦後にアメリカ軍を迎え入れる街の様子は、まるでドイツから解放されたパリのような歓迎ぶりでした。日独と同盟国でありながらも、戦争に対する国民感情は随分と違っていたようです。それを知ったことも収穫でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-24 22:16:47) (良:3票) |
43.美しい風景、美しい音楽、そして何より、とびきり美しいマレーナ。男の欲望とか、女の嫉妬とか、一見、二極対立的に描かれているけれど、この映画は、この3つの「美しい」を堪能すれば十分な作品だと思いました。少年なんて、あんなものでしょう。それに、女の嫉妬が云々とはよく言われることだけど、オトコの(特に自分より能ある女に対する)嫉妬だって相当なモンですよ。ヘタすりゃ、女のそれより遥かに執拗で醜くしかも陰湿。女の嫉妬は、男の目を介したものであるという単純構造で分かりやすいだけ、まだマシかも。同性に嫉妬されるオンナは、慣れているからかわし方も心得たもんだろうしね。さすがに、集団リンチは行き過ぎだけど。この映画は、そんなことより、男女問わず人間の愚かしさ、醜さ、滑稽さを多少デフォルメ気味ではあるものの、キレイ事にせずに描いていて、見ていて面白い。・・・サントラ、買っちゃおう! 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-25 12:04:56) |
42.まずこの島が本当に綺麗すぎる!!!暮らせるもんなら暮らしてみたいくらいだ。そして主人公のバカなこと!下着盗むのはやりすぎだろ!と思ったけど、思春期の男の子ってあんなんばっかですよ女性の皆さん(笑)本当に共感できました(^^;マレーナがポロリするシーンで一時停止しちゃいました…。 |
41.《ネタバレ》 マレーナにひたすら想いを寄せる少年がリアルに表現されていたと思う。どんなにマレーナを思っていても、彼女がどんな辱しめを受けても決して彼女に近付くことができない。神に祈ることしかできない。確かに卑怯だけど、彼はまだ子供で自分がそれを一番良くわかっている。だからこそ、少年にとっては「見ている」ことが精一杯「彼女を守る」ことだったのだろう。何より怖かったのは女達の嫉妬とねたみだった。高いヒールを履き、男達の視線を一身に集めていたマレーナに嫉妬し、物も売らず暴行し晒し者にまでしたのに 彼女の旬が去ったと思ったとたん優しくなる。お前らが一番怖いよ!とつっこみたくなる。私なら全員に必ず仕返しする(爆)モニカ・ベルッチはハマリ役でした。モニカ・ベルッチの為の役?と思えるくらい。素敵でした。 私はこの映画好きです。 【civi】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-09-02 02:39:01) (良:1票) |
40.少年の心の動きが細やかに描かれていて、切なくなりました。繊細で美しい映画です。こういう繊細さはイタリア映画っぽくていいです。 【ぐり】さん 8点(2005-03-20 01:13:14) |
39.仕事に忙殺されて精神的に弱っていた時期に観たせいか、心によく染み入った。ストーリーはもちろん、シチリアの風景やベルッチのエロチズムに現実逃避できたので十分満足。最初は、少年が年上の女性に可愛がられるという男の欲望を満たしてくれる映画なのかと思っていたが(失礼!)、いつの間にか、そのプラトニックさに中学生の頃の自分を投影しながら観ていた。少年はず~っとマレーナを見守りながらも、彼女にとっては、たまたま通りがかっただけの親切な子。少年の最後のセリフに想いの全てが集約されていて、二人の関係の重みの差に寂しく、切なく、涙の出る思いであった。 【やすたろ】さん 8点(2004-11-08 00:40:43) |
38.思春期男子の心理をここまで克明に描いた映画って他にはないでしょ。女性のみなさま笑ってやってください。12歳くらいの男子ってのはあんなもんなんです。異性に死ぬほど興味があるのに、な~んにもできずにひたすら妄想に浸ると。なので、主人公の少年が徹底的に傍観者に徹したのは大正解。普通の映画なら、少年はマレーナに近付こうとするもんです。必死で思いを打ち明けようとするんだけど、子供だからと言って相手にされずに落ち込んだり、何かの事件をきっかけにマレーナと親しくなったり。普通の映画だったらそういう流れにするはずです。しかしこの映画においては、少年はマレーナに知られてすらいないわけです。そんな状況において、少しでも相手のことを知るだけで嫉妬や妄想にかられたり、道ですれ違うだけでドキドキしたりと、これぞ現実のリアリティー!中1の頃、中3の先輩に憧れてしょうがなかったみたいな感覚、「あの先輩には彼氏がいるってウワサなのに、それにひきかえ俺は授業中に情けなくウンコをガマンしてる単なるバカだ」的な少年の無力感が完璧に再現されています。こんな気持ちを味わえる映画なんて、他にはどこにもありませんよ。ジュゼッペおじさん、あんたうますぎ!そして、この少年の行動力がまた笑わせてくれるわけです。パンツかぶって寝るくだりなんて、腹抱えて笑いましたね。それでいて、後半ではキッチリと現実の重みを突きつけてきます。この辺りのバランスもいいと思いました。少年の成長物語としては、これ以上ないくらいの傑作だと思います。それからそれから、性に目覚めた息子に女を与えてくれるだなんて、イタリアのお父さんはわかっておいでだ。 【ザ・チャンバラ】さん 8点(2004-08-31 04:10:03) (良:3票)(笑:1票) |
37.マレーナが最後町に戻って来た時、町の人間同様に驚きました。何て強い人なんだ。あの少年の年上の女性に対する憧れを含めて、なかなかよく出来た作品だと思います。 |
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36.ロケ地のきれいな風景と、まったりとした音楽が、観客に少年の淡い恋心を共感させるのにとても効果的だと思った。この映画は少年の恋や、女の嫉妬といった内面的なものがテーマなので、それに共感できる人とできない人とで作品の評価が別れるだろうと思う。特に、女の人と男の人では、観方が決定的に違うのではないだろうか?とにかく、モニカ・ベルッチがとてもきれいなので、彼女のファンなら必見でしょう。ちなみに、ディレクターズ・カットで付け足されたシーンは完全に蛇足で、むしろ作品の質を落とすと思った。映画として観るならオリジナル版。モニカ・ベルッチをもう少し鑑賞したいというならディレクターズ・カット版でしょう。 【デューク】さん 8点(2004-06-30 19:24:47) |
35.私は「ニューシネマパラダイス」も「海の上のピアニスト」もダメだったのですが、この映画は◎です。 余りにも美しすぎるがゆえに何をしても噂される日々。 私だったら絶えられないねぇ~。まあそんな心配もないけどさ。 何故ダンナが戦死した知らせが来てもあの土地の留まるのだろう?って思うのですが 美しすぎる人はどこに行っても同じ目にあうのかもしれませんね。 リンチのシーンですが女のいや人間の残酷さを見たような気がします。 【あずき】さん 8点(2004-06-27 09:14:39) |
34.この映画、女の人は観ちゃいけないよ。色んな所で、真実を突き過ぎ。ラストのヒロインのくたびれ具合がお見事。とても深くて痛い映画だと思う。 【マックロウ】さん 8点(2004-06-18 18:30:27) |
【3737】さん 8点(2004-04-19 22:01:02) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 主人公の少年を見て、ドキドキしながらエロ本を買った中学1年を思い出し青すぎるノスタルジーに浸ってしまいました。今は周りに女性がいても平気でアダルト誌を立ち読みしている自分がいて、鈍感になってしまっていることに嫌になってしまいます。男性ならば誰もが共感できる思春期に通過する性的儀礼なんじゃないかなあ。好きな女性と一緒にいる姿を妄想したりするのも。半ズボンから長ズボン、床屋の席、タバコなどわかりやすい表現で大人への階段を登る主人公の姿を表現できていたと思います。女性の観点から見ればあまりに美しすぎる女性は嫉妬され、たぶん鑑賞した女性の皆さんは嫌悪感を感じていると思うしそのようにレビューを書いている方が多いですね。なぜなら大部分の女性は町の女性であり、マレーナではないから。そりゃあ美しい人に心のそこで苦々しい嫉妬の視線をむけている自分をリアルに表現されれば嫌なものも感じますよ。現在のように生活保護もなく、不安定な政情の中、戦争により、亭主、父親を失い生計手段がなくなったとき現実的に春を売るくらいしか生きる手段はなかったことも容易に想像できますし、それを決意したときに紙を自分で切るシーンなども印象深い。面白かったです。 【バチケン】さん 8点(2004-04-11 19:10:52) (良:1票) |
【モー子】さん 8点(2004-02-27 17:10:31) |
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29.《ネタバレ》 主人公がマレーナに一目惚れをしてから、妄想を膨らませサルと化す様は、昔の自分を見ているようでほほえましい気持ちになりました。 さて、この作品は映像と音楽の一体化が見事で、この点に関しては同監督・音楽担当の「ニューシネマパラダイス」に匹敵する出来だと思います。例えるならば、シチリアのアルバムを音楽付きで見ている感じです。 個人的に印象的だったのは、マレーナにおばさん達が集団リンチを加えるシーンと、一年ぶりに帰ってきたマレーナにリンチを加えたおばさん達がやさしくするシーンの、おばさん達のギャップです。もう今までより綺麗じゃなくなったあんたは嫉妬の対象なんかじゃないわよ、と言わんばかりの勝ち誇ったあの態度。女性の内面に潜む「美」に対する執着を、ここまで描ききった作品は存在しないのでは?恐いですねぇ。 【なおてぃー】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-01-30 21:59:26) |
28.片腕の旦那、アレがよろしい、男は黙って・・・。 戦争という極限状態に陥った時の人間の強さも弱さも全部抱きしめて・・・ 良い作品です。 【N列23番】さん 8点(2004-01-30 21:29:42) |
27.少年の痛いほどの恋心の視点から一人の美しい未亡人の辛辣な人生が描かれる。非常に重く暗くなりがちな物語をシチリアの美しい景観と旋律で艶やかに見せるあたり、流石はジュゼッペ・トルナトーレ監督と思わずにはいられない。まさに映画の核となるマレーナを演じたモニカ・ベルッチの存在感が素晴らしく、妖艶な演技を見せてくれた。恋心、戦争の悲痛、誘惑、あらゆる感情を熱情をもって描き出した傑作。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-12-17 14:10:11) |