1.《ネタバレ》 「歌の持つ説得力」という点においてとても正しいなあ、って。
映画自体はベタな韓国映画です。よくある毎度の笑いと泣かせパターンな韓国映画。で、これはそれが上手い方に転んでるタイプ。
シム・ウンギョンはちっともあのイヤなババアに見えません。あのババアと全然イメージが繋がらないの。それは欠点かもしれないけれど、でも「若返ってジェネレーションギャップに苦しむキャラ」としては見事に成立していて。
『サニー 永遠の仲間たち』で見せたヤバいレベルのコメディ演技と美しい表情が更にパワーアップして本当に魅力的。
それに加えてあの歌ですよ。ぐっと惹き付けて彼女に心を寄せてゆくのに十分な歌の力。
物語はあくまでベタなので、後半の泣かせ展開に至る道なんかは王道過ぎ!って感じではありますが(何度もワザとスカすように見せながら結局そこに行くっていうややこしいテを使ってはおりますが)、遠い日の回想と現在とが同じ顔で直結する事でダイレクトに生み出されるドラマの感動的な事ったら。思わず泣かされますな。
老いの辛さ、切なさもあれば、そこに至るまでに重ねたかけがえのないものもあって、っていう、テーマも王道というかベタというか、ですが、シム・ウンギョンの存在によってキラッキラに輝くまばゆい映画となっていて韓国映画の良さを堪能できる一編でした。