1.《ネタバレ》 メキシコ革命って複雑な経緯のうえに指導者たちの裏切りの連続でちょっとかじっただけでは理解不能なんですが、それでも何をしたかは知らなくてもパンチョ・ビラの名前だけは有名ですよね。まあぶっちゃけて言えば山賊の親分なんですけど、メキシコでは正義のヒーローという位置づけされているみたいです。 メキシコ大好きのサム・ペキンパーが脚本書いた映画なんで、全篇に“パンチョ・ビラ愛”が満ち溢れていますね。ビラを演じるのはユル・ブリンナーですが、髪の毛ふさふさで髭まで生やしてるという彼としては珍しい役作りです。自分の存在感を示す為に政府軍に身内の村が荒らされるのを傍観したり11回も結婚(それも重婚)するなどと、ビラの人間像をあけすけに描いています。でも自分で飛行機の操縦に挑戦して失敗するなど抜けたところも見せるコミカルな一面もある人物なんです。彼にヤミ武器商人のロバート・ミッチャムとビラの側近チャールズ・ブロンソンが絡むのですが、この三人がそれぞれみごとにキャラが立っていて愉しめます。善人だか悪人だか掴みどころがないミッチャム、冷酷残忍で捕虜を殺しまくるけどとぼけたところもあるブロンソンというのが役どころです。戦闘シーンもなかなか迫力がありまして、大規模な空撮を使った攻城戦のシークエンスなどはかなり見応えがありました。 本作はテンポも良いしアクションもキレているという絵に書いた様な隠れた秀作なんですが、DVD化もされていません。TSUTAYAの“発掘良品”あたりでソフト化するには相応しい作品じゃないでしょうか。