2.《ネタバレ》 オープニングのクレジット、音楽、あの独特のセリフ回しとナレーションが最初から炸裂で
息つく暇もないという相変わらずのウディ・アレン、楽しいです。
1930年代の古き良きアメリカのニューヨークとハリウッドの雰囲気がよく出ていました。
「二人のヴェロニカ」とカフェソサエティとボビー、他の人物もきちんとシニカルに描いていて
ニタニタしながら観てました。ハリウッドのヴェロニカであるヴォニーは最初はただの秘書みたいな登場の仕方なんですが、だんだんUPのシーンが増えて「わぁ、すごくキレイで魅力的な子」となって気付けばキーパーソンになっている。
びっくりしたのと同時にやられたなあと感心したのはラスト。
新年のカウントダウン後のボビーの表情ね、身動きせず遠い目をしている。
過ぎた日々を思い返して、どうして今自分はココにいるのか自問自答しているようにも、
または、今手に入れているものは心から望んだものではなく、何か喪失感を抱えているようにも見える。
いつ全て失うかわからない危うさみたいなものを感じました。ココは人によっていろんな感想があると思います。
ヴォニーの諦めたような苦笑いとオーバーラップして、とても余韻の残る見事なラストでした。
考えてみれば、一般的にもこのようなことはよくありそうなことなんですが、
80歳のウディ・アレンがそれをこのようにコミカルにシニカルに描くってことが凄いです。
面白かった。