1.《ネタバレ》 未放送の取材テープでの構成(という設定)、テロップの入り方、背景への映り込み、実在の人物へのインタビューのインサート、などなど…これはJホラーの原点であり、ホラー系フェイクドキュメンタリーの原点であり、フジテレビの『放送禁止』や白石晃士監督の一連の作品の直系の始祖と言っていい作品です。プロデューサー川西氏の死にざまにリングのアレを、PV撮影中の惨劇に『着信アリ』のアレを想い出したり…と、令和の今見ると、なかなか味わい深いですね。
Jホラー黎明期の作品だけに、クライマックスでの阿鼻叫喚シーンはサービス過剰で、おそらく今なら、もっと地味な表現で霊現象を描くのではないかと思いました。同じくクライマックスでリポーターの女性が説明的なセリフを霊に語りかけてしまう部分も惜しいカンジ。脚本の小中千昭さんは、のちに【小中理論】の中で「論理的な説明はホラーには必要ない」と明言してますが、それはこの作品の反省もあったのかな?などと思いました。それと…フェイクドキュメンタリーの中に竹中直人さんが(本人ではなく作中人物として)出てきちゃうと、やっぱ「んーーー」ってなりますよね(苦笑)。
なお…作品のキーとなる楽曲『ラブ・クラフト』は、バリバリの80年代歌謡サウンドでなかなかの名曲でした!