1.同じ年の『ヴァレリアン~』にもイーサン・ホークとルトガー・ハウアーが出てましたが、本作では義理の親子の役で共演。
イーサン・ホーク演じる殺し屋が、新しい任務を請け負うも、逆に命を落とすハメとなり、映画開始早々に主人公が死んじゃってどうするんだろう、と心配になるのですが。というのはウソで、当然生き返るんだろうと思ってると、やはり当然のごとく生き返ってくれます。というか、生き返らされちゃうのですが、残された命はわずかだよ、というゾンビコップ方式。命はあと24時間、しかもなんと、残り時間が腕にデジタル表示されるという親切設計。残された時間で彼ははたして、自分を利用した組織に対し復讐を果たすことができるのか。
再度の死を間近にした上に、薬が無いと幻覚を見てしまう主人公の、危うさ。この不安定な感覚が、イーサン・ホークのいかにも不健康な感じにぴったりで(いやホントに不健康かどうかは知らんけど、少なくとも10代の頃はこんな印象のヒトではなかったんだけどなあ)、作品の不安感みたいなものにつながってます。←「不」の字ばかりが続きますね。さすがイーサン・ホーク。
という訳で本作は、どこか破れかぶれな、やや暴走気味の復讐譚になっていて、キレのあるアクションとともに作品の魅力になっています。すでに棺桶に片足をつっこみ生死の境目にいるような彼に対し、死者の側には彼の妻と子、生者の側には妻の父。演じるルトガー・ハウアーの存在感が光ります。
主人公の好敵手みたいなヤツも登場して、彼と主人公との一筋縄ではいかない関係が、これまた作品に微妙な陰影を与えていて。
見どころの多い作品でした。