1.《ネタバレ》 高良健吾がやった事に価値がある。だってこれ、名が知れないキモ役者がやったのならば、ただの変態作家と変態監督による変態ストーカーの変態メロドラマになっちまう。だがその一線を辛うじて踏みとどまり、情を加え、わりと綺麗にスマートにまとめ上げたのは監督の手腕と高良健吾のメジャーさと真面目さのイメージがなし得た事態であると思います。煮え切らない男のラブストーリー。だが彼には少なくともチャンスは大いにあった。彼女との再会を偶然だと装うこと可能だったはずだし、偽善ありきの白馬の王子様になることだって可能であったのかもしれない。だけど哀しいかな 男はその接近方法を知らなかった故に常人離れして行き、いざ助けを求める彼女が近くに居ながらその姿をなかなか現すこと出来なかった結果による悲劇。となると、こちらとしては ラストのシメはともかく 惨め晒している千尋を早く助けてあげなよという思いが込み上げてくるのは当然の心理です。でもそこが興味を引っ張るストーリーへとなってゆく。
そして眺めるエンドロールの最後に映し出されたシメとなる監督名にて驚かせされる。安里麻里・・・ 自分的には初めて目にするお方なんですが、、そんなことよりも、女性?! いやぁ、ビックリしました 三井直人のモンスターストーカーぶりや 千尋の亭主の暴力性たるや、千尋の奴隷人生のような幸薄感たるや 全てこの方の執筆とメガホンにて造形されていたのですね いやぁ、これって今の時代において大丈夫なのか かなり男尊女卑ってますよね なんて心配もしてみました。点数については、完全に好みの問題です。他に8点を投じる方がいらっしゃるとはとても思えません。