4.《ネタバレ》 『ザ・バットマン』いきものクイズ!
鳥は、高い所から俯瞰し、弱い獣を喰イモノにする。
利口な獣は鳥を監視し、密かに鳥を襲う。
それは、生きるため?
優劣の逆転を狙って?
それとも、ただの戯れ?
コウモリは鳥?
それとも獣?
答えは、映画館で。
【レビュー】
不穏な空気が漂う大都市ゴッサムは、現代とも1950-60年代とも感じられる。
スマホを使う場面があるのに雰囲気は完璧なノワール映画。あははっもうたまらん!
若き資産家ながら、心に秘めた憎しみを黒いマスクで覆い
犯罪への「復讐者」バットマンとして夜な夜な徘徊する青年ブルース・ウェイン。
一方、権力者たちの「嘘」を憎み、猟奇殺人を犯す謎の男リドラー。
追う側も追われる側も闇を背負っている。
マトモデナイ世界・・・
乱歩マニアな私には、短くかんじる176分だった。
この映画は、バットマンが挑むサイコミステリー仕立て。
デビッド・フィンチャー『セブン』を彷彿させる半端ない緊迫感がある。
同時に、若きブルース・ウェインの苦悩と運命の物語。
ただし、最終盤はいかにもヒーロー映画らしくバットマンが派手に活躍する。
そこだけが、この映画の個性に反しているようで(私には)蛇足に思えた。
ここは好き嫌いある所かも知れない。
(何度目かの)バットマン映画のリブートだが、過去のどれとも違っていて楽しめ
1本の映画作品としても優れている。
どのキャラクターにも、それぞれの「生き様」を感じる。
生まれた環境や普遍的な社会の矛盾。そこから何とか脱して懸命に生き続けようとする一人一人の姿
それは、私たちのリアルな人生そのものである。
混沌を力ある者がルールで縛って秩序を築く。
縛られる側にとって秩序は窮屈なものだ。
縛る側の悦楽、縛られる側の窮屈さを指摘し、自由と正義を求めて闇に隠れて闘う革命者が2人。
2人のサイコパスによってルールの檻は、遂に破壊される。
では、その先に待っているのは何か・・・?
自由の楽園か?
無秩序を愛するサイコパス達が踊り狂う、狂乱のパーティーか?
そこで笑うのは誰か?
ジョークだよジョーク!フヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!