1.《ネタバレ》 大まかに言うと、非常に社会的な影響の大きかった一つの事件の舞台裏を描く…という作品かとは思いますが、個人的な感覚としては更に、劇映画とドキュメンタリのド狭間に在る…とでもゆーか、少なくとも劇映画的な単純化や分り易い抑揚・盛り上げ(下げ)を施すコトよりは確実に、事実を事実のママに伝えようという意識の方が高い様に思われると言いましょーかね。他方でその意味ではやはり、全体としてごく淡々と進んでゆくなって感覚とか、前提知識が無いとやや分り難い箇所ってのが散見される様な感じってのも覚えられたのが事実ではありますね。
とは言え、まずは個人的には(シンプルにイチ映画=社会派サスペンスとしても)非常に面白く・興味深く観れた(とゆーかシンプルに非常に勉強になった)という感想では在りますし、あと、ドキュメンタリ的に登場人物を描く中でも、特に実際に証言をした被害者の方々のインタビューシーン(+ソコに於いて発露された彼女らの感情・人間性)こそが、今作が最も描き出したかった=世に知らしめたかったモノなのではないかという感覚も(まま)大いに在ったのですね。その意味では、実際のソレらとゆーのは今後決して広く世に行き渡る様なモノではない中で、再現映像としての本作と、そして原作となった書籍が記録として永遠に残るコトそのものが、まずはこの映画の根本的な価値なのだとも思いますし、その上で、キャリー・マリガン&ゾーイ・カザンをはじめとした(そーいったモノを実際に再現する)女優陣の演技というモノも、総じてその目的に果たし得るだけの優れたモノだったかと思います。やはり一点プラスしておきます。