50.《ネタバレ》 初め見た感想はよくわからないシーンが多いのだが、テンポもよく最後まで飽きずに見ることができ、何となく面白かったというところで6点くらいでしたが、イマイチ分からないことが多くて、webで調べると、いろいろな伏線と、意味のなさそうなシーンでもちゃんと意味のあるシーンであるということが分かった上で、もう一度鑑賞。 分かった上で見るとすごく作り込まれており、無駄だと思うシーンもちゃんと理解できる。もちろん、未だに良く分からない部分もあるのだが、そこもきっと何かしら意味のあるものなのだろう。 映画は、前半はダイアンの妄想、カーボーイに妄想から目覚めさせられた現実、そして回想シーンという3部構成で、最近多い時系列シャッフル系とはひと味時違う映画となっている。 結局のところ、泣き女のうたがダイアンの心情であり、それがこの前半の妄想を作り上げているのだろう。なので、ダイアンの妄想=こうだったら良かった=現実は正反対ということが読み取れる。 たとえば、殺し屋がドジならいいな、アダムが悲惨な目にあえばいいな、オーディションがうまくいけばいいな等々この辺をふまえて、イマイチだったと感じた人にはもう一度見てもらいたい。 いずれにしても前半部分のベティ時のナオミ・ワッツと後半部分ダイアン時の彼女は、別人?と勘違いしてしまうほど見事に演じておりまさに怪演といえる。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2014-09-12 11:50:48) (良:1票) |
49.《ネタバレ》 高校生で観た時は「なんのこっちゃワケワカメ」状態でしたが、約10年ぶり2度目の鑑賞で、なんとなく話の大筋は理解できたような気がします。それ自体間違ってるかもしれないし、細かい部分で分からないとこも一杯ありますけどね。夢いっぱいでハリウッドにやってきたけれど、仕事もプレイベートも挫折して死を選んだ女性の精神(と現実)世界、という話でしょうか。そう思うととても切ない苦しい話でした。前半は夢、後半は妄想・回想・現実が入り乱れます(多分)。夢や妄想にしたって100%虚構ではなく、恐らく現実に起きたことの反映なんでしょうね。夢にドップリ浸かってる状態だとそれが夢だと気づかないけれど、「目覚め」や「現実」に近づくにつれてシュールな展開が増えていくのも、ある意味リアルです(多分)。そして、ダイアンにとって知らないもの、見たことがないものはシュールな描かれ方になるのが面白い。例えば映画の主演女優をゴリ押ししてくる謎の男たち。ダイアン自身は、「自分の実力不足で女優として成功できなかった」と思いたくなかったのではないでしょうか。だから、監督も屈さなければならない謎の大物のせいにしたかった、と。違うかなあ?自分はダイアンを中心に観ましたが、別の人物を中心に見てみたり、「現実だと思っていたシーンが実は妄想だったら?」という風に視点を変えてみれば、まったく別の物語にもなりそうです。 これっぱかしもハリウッド映画っぽくないのに、絶対にハリウッド以外では成立しない物語だったのも印象的でした。 他人の気持ちをそう簡単に理解できないのと同じで、この映画も分かりづらく作られていることが、逆に誠実だなと思います。自殺する人に気持ちを100%理解したら、自分も死んじゃいますもん。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-04 10:01:04) |
48.この映画がどんな内容か、リンチがどういう映画を作る人なのかまったく知らず、とりあえず観ましたが・・・。最初はさっぱり意味がわかりませんでした。解説サイトなどを参考にもう一度見直すと、ダイアンの気持ちがひしひしと伝わってきて切なかったです。確かにこの内容を、時間通り順番に見せても、何の面白さもありませんね。リンチ監督の映画を初めて見ましたが、その並外れた力量に驚くばかりです。 【ramo】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-02 20:27:12) |
47.難解な映画ですが見るたびに発見がありそれぞれにそれぞれの解釈があると思います。こういう映画はそうそう作れるもんじゃない。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-23 23:25:33) |
46.「難解」との噂に身構えて観賞。 むむっ、たしかに難しい・・・ でも、登場人物は個性的で、出来事はインパクトがあることばかり。 言ってみれば、パズルのピース1枚1枚は大きく判りやすい形なのだが、それをどう組み合わせていいかがわからない・・・と言う状態でした。 色や形が似通った3000ピースのパズルを組み立てるのではないから、何とかなりそう。 むしろ、是が非でも何とかしたいほど興味深い内容なのです、これが。 しかし、何とかなりそうで何とかならない自分が歯痒い・・・ 仕方なく、世にあるレビューをいくつか参照して、大まかな道標をつけてもらった次第。 いやはや、これを自力である程度解釈できたら映画ってもっと楽しめるんだろうなぁ。 早くそんな領域にレベルアップしたいです。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-09-02 10:11:03) |
45.《ネタバレ》 一見目は意味不明だったのだが。。解説サイトの見解を読んだ後に観直したところ、かなり高感度なところでまとめた映画だと思えた。解説サイトの見解はちょっと賛同できないところも多々あったが、夢から始まっている構成というところには納得。これが時間軸で素直に構成されていたら、かなりつまらない話であっただろう。そういう意味でとても効果的にまとまった映画で、何となく雰囲気を感じる映画だなぁと思った。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-02 23:22:32) |
44.《ネタバレ》 鑑賞直後は全く理解出来ず、でも何故か最後まで飽きずに引き込まれるのだから、魅力ある映画なんだと思う(偏に女優2人の魅力が大きい・・・ナオミ・ワッツが良いのは勿論だが、個人的にはローラ・ハリングが凄く良く引っ張られました。) 仮に意味が解らないままでも何か好いてしまう不思議な映画なのですが、あれこれ探索して解説を見てみたり調べたり、もう一度観てみようと思わせる、こういう映画もありだと思う。 序盤の満面の笑みで夢見る少女的なベティ(ナオミ・ワッツ)が、終わってみれば物凄く切なかったです。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-04-06 13:36:06) |
43.最初に観た後は5点くらいと思った。面白いには面白いが、いかんせん意味がわからずモヤモヤしたから。しかし傑作と誉れ高い作品だけに、念のためもう1回だけ観てみることにした。すると大筋は理解できた(一安心)。少し前に流行ったアハ体験?みたいなものかな。分からないとモヤモヤするし、分かるとスッキリする。もう1回観ればまた新たな発見があるんだろうけど、今のところはこれで満足。存分に楽しませてもらった。3回目は数年後のお楽しみにとっておこう。 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-03 17:35:47) |
42.だいたい、ナオミ・ワッツが二役やってることに気付かない大とんまな私が一度でリンチワールドを解るわけがない。初めて解説サイトを覗いてみた。そして仰天。ぶっとんだとはこのこと。点数評価が一気に5点くらいアップした。各パーツが意味不明に配置されたかのようでいて、実のところ理路整然と織られていたのに驚く。解った瞬間から物語が哀調を帯びて輝きだした。切ないなあ。でも監督、「理解に苦しんだら直感を信じろ」とか手品師みたいなこと言ってないで、ぼやっとした観客のためにもう少しバーを下げてもらえませんか。解説してくれた皆さんありがとう。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-16 14:10:48) |
41.《ネタバレ》 ノー アイ バンダ。いいですね。やはりリンチらしく難解です。でも難解なのは二度目以降で解決すると思います。ある程度に散りばめられたピースを最終的なリアルに繋げていくと、全ては、売れなかった女優の悲しい恋物語、だということでしょうか。死の間際の走馬灯(の様な物)という、本来表現不可能な領域を想像力のみを駆使して映像化した、アナログの傑作と思っています。物語の山、シレンシオでのシーン。あの歌を聴くためだけにそれまでがある。ただ単純にそんな気持ちになってとても泣けました。やはりこの監督は直感で観るのが正解かもしれませんね。 【warrabit】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-12-18 03:38:25) |
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40.《ネタバレ》 初見のときは立て続けに3回観た。というか3回ぐらい観ないと納得出来なかった。一度目はハテナの嵐。二度目は「そーだったのか!」三度目にしてようやくストーリーに没入できた。そして「この映画はすごいぞ!!」と叫び続け、ことあるごとに他人に絶賛した。そして数年経ってからもう一回観た。うーむ。もう二度と観たくないかも。なんかそのぐらい自分の中で揺れがある映画だった。ただ、この監督の作品には若い頃からどっぷりガッツリハマりっぱなしである。しかも人生の岐路における選択にすら影響される位のレベルで。いや、あくまでイメージだけど・・・。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-01 19:10:29) |
39.最初から最後まで目の離せない構成で時間を感じさせない。 昔見た時は全然わからなかったのですが、再見したらなんとか大枠はとらえることができた。大枠はシンプルで分かりやすく、細部が難解に作られていることがわかった。割に親切な作りをしていたんだな。解説サイトを見て、更に感心。また、観よう。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-07 12:20:47) |
38.《ネタバレ》 最初の1時間は、それぞれの繋がりが「?」でした。 が、後半の展開。夢中のままラストを迎えます。 セリフで何かを伝えるような作品ではなく、言われている通り 見た人それぞれの感性、感じ方によって如何様にも捉えることのできる作品だと思います。 私は、それがすごく心地良かった。 ストーリーは悲しすぎる、切ない恋の話。 クラブでの泣き女の歌には、自分の気持ちにもぐっと来るものがあります。 あの時泣いていたのはベティだけじゃなく、リタも同じ。 2人して泣いていたところに、この作品における一抹の救いを感じます。 そう、あのシーンが1番心惹かれます。 ラストには余韻が残りすぎ、クレジットの画面をぼんやり眺めていました。 デヴィットリンチ監督ならではの、細かいトリック(?)そういったものを 見つけていくには、まだ2度、3度と作品を見直していかなければ無理だろう。 けれど、今はしばらく。マルホランドドライブ、デヴィットリンチの世界に もう少しこのまま浸っていたい。そんな気持ちです。 【nacky】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-23 13:32:11) |
37.《ネタバレ》 皆さんの作品レビューを拝見して初めて意味が分かりました。まず御礼を。よく観るとタイトルクレジットの前に重大なヒントが隠されていたのですね。それにしても、わざとらしいほど純朴で親切なベティ(20代半ばにしか見えず若々しい)と生活に疲れた感じのダイアン(実年齢程度に見える)では全く印象が違いナオミ・ワッツの女優としての力量を感じました。若々しい容貌といい、ホスピタリティといい、有名女優のおばといい、オーディションでの絶賛といい、夢(妄想?)の中での自分が理想化されているのがわかります。前半部で違和感を感じる妙に50年代ぽい雰囲気とか、監督のアダムがスポンサーに屈する形でカミラを主役に据えることとか、D・リンチの仕掛けがいたるところにはりめぐらされていて、難解ながらかなり面白い映画に仕上がっています。なんといっても意表を突いたエンディングに、「お静かに」ですからね。久しぶりにD・リンチ節を堪能しました。 【kainy】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-07-27 14:20:40) |
36.独特の雰囲気がたまらなく良い。ボーっと観てたら絶対意味不明の作品だが、よーく考えながら観ると監督の気持ちがわからんでもないところがニクイ。スルメみたいに噛めば噛むほど味が出てくる作品。 【Keicy】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-28 23:14:32) |
35.難しい映画か?いや、難しくはない。音楽と同じように、感じる映画であり、正解を導き出すことに執着する人もいるだろうが、エンターテイメントの1つのありかたとして、捉えるべきではないだろうか?デヴィッド・リンチのメッセージは「正解を導き出してみなさい」ではなく「感じる感性を持ちなさい」ではないか。もちろん万人が違う解釈をするだろうし、友達とあーじゃない、こーじゃないと言い合うのも楽しいだろう。何度も見て何かを確かめたい人も多いだろう。だがしかし、本作は最後に象徴的な言葉で幕を閉じる。「お静かに」 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-22 21:59:46) |
34.なんかいいよね。こういう映画って。余韻が残るというか(残りすぎ)一言で言うと『訳わからん』だけれど 感触が体に残った映画でした。 【かじちゃんパパ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-30 15:31:23) |
33.難解でよくわからないけども、カルト臭がしないのは、ハリウッド映画だからか?小さくまとまってんだよな。 → 解明サイトを読んで、この映画を再見して、すばらしさがよくわかった。カミーラに手をひかれて藪を抜けるダイアンのうれしそうな表情が、微笑ましくて悲しすぎる。 【センブリーヌ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-10 14:24:20) |
32.《ネタバレ》 田舎ではきらびやかな人気者として輝いていたダイアンが、ハリウッドスターを夢見てロスに出るがドンドン落ちぶれていき、最後は自殺するという話。ブルーボックスを開ける前は、ダイアン(ベティ)の夢、開けた後は現実世界。ポイントとなるのは、まず老夫婦の存在。あれはダイアンの両親なのかもしれない。その理由としてプロローグの「ジルバ大会」でダイアンと一緒に喜んでいるシーンがある(優勝を喜んでいる?)。そして、夢の世界ではダイアンを応援し、自殺間際には笑いながら迫ってくる。これは堕落した生活を続け、カミーラ殺してしまったダイアンの良心の呵責が生み出した幻だろう。そして、アダム監督。夢の世界では妻に不倫され、ボコボコになり、破産宣告。監督業に復活するものの、マフィアの存在により惹かれていたダイアン(ベティ)を「シルヴィア・ローズ物語」の主役には抜擢せず、カミーラを選ぶことに。要は、実力では自分が主役になれたものの、裏の圧力により主役になれなかったんだという夢である(妄想)。理想の世界でダイアンは、清純で誰からも好かれる人柄であり、ハリウッドで実力を認められ、カミーラは自分のもの…という現実とは真逆の世界が描かれている。ダイアンの化粧や格好だけ見ても、それは如実に表されている。しかし、夢は劇場でまやかしだとわかり、現実世界ではカミーラは殺され、自分に殺害容疑がかかっている。そこには、恐ろしく屈折した愛を持つ堕天使がいた。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-20 15:23:54) |
31.《ネタバレ》 難解。幻想的で抽象的という点で、 鈴木清順やウォン・カーウァイに通じる。 デビット・リンチは幼い頃から画家志望で美術学校に入学するが中退し、ヨーロッパに留学するもわずが15日で帰国してから映像の世界に入っている。抽象的な世界だけでは肌に合わなかったのだろうか。デビット・リンチは生粋のエンターティナーだ。 すべての場面において計算された意味がある。たぶん。 夢という仕掛けを使って理解と不可解の分水嶺を引いた。 観る者には幻想的な映像を堪能する喜びと、謎を解く喜びの両方が用意されている。 【michell】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-01-15 20:00:56) |