9.《ネタバレ》 TV録画、吹き替えで見ましたがドライヴ(2011)の元ネタがあったなんて知りませんでした!ライアン・ゴズリングのドライバーも寡黙で素敵でしたが、2011ではスト―リー的にちょっと凝り過ぎていてイマイチ判り難い部分もありました。で、本作ザ・ドライバー(1978)ですが、こちらはドライバー役のライアン・オニールと賭博師役のイザベル・アジャーニがCoolすぎて痺れた。ストーリーはシンプルで判りやすいものの、終盤のカラクリ的には少々矛盾していてご都合主義感は強めです。
ライアン・オニールといえばバリー・リンドンのバリー役が有名ですが、大根役者だと思っていましたが本作を見て大根役者が確定しました。でも、しゃべらずに意味ありげな目つきで見つめる異様な様は迫力があって心底素晴らしかった。この演出はバリー・リンドンでも見られ、言葉を発しない絶妙な間とどっしり落ち着いた目つきで凝視するその貫禄は彼独特のものですが、迫力があって妙な怖さを感じます。
イザベル・アジャーニも22歳という設定&実年齢も23歳。この年齢にしてはあまりにも不自然過ぎる落ち着き具合と、そして異様なまでのクールさとトーンの低さ。この異様な雰囲気を醸しまくっている二人のカップルが赤いピックアップトラック(シボレーC-10)に乗って、敵の車(トランザム)を突っつく様はカッコよすぎてそれはもう痺れる。
この映画が人気なのは上記二人の異様なまでクールさと対比する形で見せる刑事役のブルース・ダーンの上手さでしょう。この人がお笑い担当というか、刑事なのにかなりはみ出していて際どいギリギリ悪人風情の刑事を演じているおかげで躍動感が生まれています。正直駒として利用するチンピラより悪人でしょコレ(笑)彼のラストの振る舞いも素敵。(でも終盤のカラクリは少々疑問符が付きますが・・)
今風のCGや細切れ撮影にはない、古き良き時代のカーアクション映画の名作です。45年後の今見ても結構普通に見られるので点数は甘めです。