1.《ネタバレ》 第一回アカデミー作品賞受賞作、その名は『つばさ』、別名を『とっぷがん』とも言う←ウソ、言わないよ。どう考えても『トップガン』より迫力あってスゴイもんね。映画の表現自体は、直截的なものが多く、やや深みに欠ける部分もありますが、それを補って余りある、空中戦のド迫力。むしろその単刀直入ぶりが、本作のダイナミックさと相まって、ひとつの魅力ともなっており、実に快感。何しろ特撮もヘッタクレもなく、とにかくホントに「やっちゃう」しかない、というスゴさ(ゴータ機の爆撃シーンなんて、ありゃもう本当に爆撃してるゾ?)。とは言いつつも、「ブランコ上のカメラ」「テーブルを次々飛び越えて行くカメラ」「その他、変なところに設置したカメラ」など、結構モダンなところも見せてくれます。この辺り、私などはどうしても、現代のB級アクション映画のハシリのように思えて、トテモ嬉しくなるのですが・・・。さて、まず映画冒頭、まかりいでたるはバカップル。しかしどうやらカップルではなさそうなので、差し引き、ただのバカである。ごめん言い過ぎた。でもかなりハイレベルな勘違い野郎には違いない。その勘違いジャックが主人公、彼が軍隊に入り、訓練を受ける(クーパーも一瞬出てくるが、残念な事にすぐに死亡、残念な事にあくまで勘違いジャックが主人公である)。初フライトの際、横で救急隊が欠伸してる、なんて描写が効果的。やがてジャックは欧州戦線で活躍。活躍はしても何だかシマリの無いジャック、しかし彼がカッコよく見えるシーンもあります。泥酔してキャバクラ嬢(?)とイチャつき、何故か泡に異常に興奮するシーン。ここだけ何だか、水もしたたるいい男、に見えてしまうのです(つまりマジメな顔があんまり似合わないんだな)。それはともかく、クライマックス、友人デヴィッドが死んだと思いこんだ怒りのジャック、敵に怒涛の攻撃を仕掛けますが、このシーンのスピード感、迫力たるや、もう手に汗握りまくり、必見中の必見です。しかし、調子に乗って、デヴィッド(実は生きていた)の飛行機にまで攻撃を。もーっ!ばかーっ! という訳で、感動的というよりは、ジャックの頼りなさ、気の利かなさが不本意ながら浮き彫りになっちゃったラストですが、それでも一応、反戦っぽい含みも(少し)残したという点で、映画に厚みを与えております。ハイ。